のらりくらりIV
「あ、主電源から付ければいいんだった。ボタンどこだどこだ......」
マーシェルは重い腰を持ち上げて少し離れたテレビの方へ向かった。
「考えたら分かるでしょ。それにしてもオレンジ色って......なんだったけな......」
ルーカスはまた、深く考え始めた。
―いっぽうその頃ファットは......。
《ロビー階到着です。上へ参ります》
「うーむ......。確かドアの前の大部屋に説明書入ってたよな。」
どこだどこだと散らかったままの部屋を端から探して行く。
漫画、小説、DVD、ボートゲーム、漫画、漫画、漫画......。
この散らかった部屋の隣にはドアを挟む訳でもなく透明な窓とゲートで仕切られている、広い空間がある。
GF室《名称:GALAXY FINDINGS 》のことだ。
この宇宙船は銀河系の探索をしていることからその名が付けられた。
逆に言うとこの宇宙船は、銀河系から出ることを想定していない......。
ウィーン♪
《暗証番号を入力、または静脈認証を行ってください》
「暗証番号......?あぁ静脈認証でいいか」
ファットは親指をパッドにそっと乗せる。そこが開くとGF室がある。
さすが宇宙船。厳重なセキュリティーによって守られているのだ。
《認証成功。五秒後、開きます》
「だいぶ散らかってるからな、探すのが大変だ」
ウィーン♪
ごつごつかんかんとんとんざらざら
説明書の捜索を開始。
―また上の階
「テレビがつかない......やっぱりリモコンないとダメなのかな?」
あわあわと困っているマーシェルを見つけることなくルーカスは思い立ったようにして
「......。私は特にすることもないからマスターと話してこようか、なにか思い出すかもしれないわ」
彼女もエレベーターで下に降りていき、カフェへ向かって歩き出した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます