衛星探索Ⅴ~again~

大きな虹色を持つ鳥を、見つけた彼らは次に周辺を探索することとした。


「なにかありそう?」


 ルーカスの声にみんなは反応しようとするが、あの鳥のインパクトが強いからか何も見つけることができずにいた。


 マーシェルとファットはそれぞれ逆の方向へ歩いて、探検をまた始めた。

 この二人は仲が悪いのだろうか。お互いの向きが逆になっていることがしばしばある。


 ルーカスも氷の床をたたいたり、割れているところを探したりして集中しはじめた。



「ポンッ♪ 配送物が宇宙船へ届いたことをお知らせします。」



 

 あの七色鳥がどうやら、宇宙船へ配送されたようだ。



 どうしてこんなにも早く送られるのかというと、300年前にはなかった最新技術がまた使われているのである。

 詳しく説明する。その宇宙服についている「荷物送信ボタン」を押すと、対象選択をしないといけない、即ちどれを配達するか物を指さないといけない。

 そしてその選択方法も「fingertip system」と言った技術が搭載されており、言葉の通り対象物を指でさすと、機械が勝手に判断してくれるという方法だ。


対象物を選択すると、一度異空間へその荷物を運ぶ。人間の目には見えない世界。

 確か2200年終わりごろにはもう開発されていたような......?

その異空間へ飛び出すと、ものすごい速度で荷物を宇宙船へ届ける。

 

 こんなものチートかよと思うかもしれないが、残念ながら重量制限があり人間を選択するとエラー拒否されるようになっている。

 

 だから、これで楽をしようとかいうことはできない。この世界はそんな風に上手くできているものだ。



「なにもないな......。ここはハズレか」


ファットのため息とともに、マーシェルが少し怒ったようにして、


「鳥がいたじゃないの!ここはアタリだわ!!!」


どうやら彼女は自分を否定してきたと思い、苛立ちながら言葉を投げた。



「まあまあ、2人とも。まだなにかあるかもしれないわ。もっと探しましょう。」


 清楚なルーカスの言葉で皆はまたゆっくりなにかを探し始めた。



時も経ち、ついには太陽も枯れ始めた。

 そんなギリギリのタイミングでまたまた、次はファットが何かを見つけた。


「なにかあるぞ!!」


2人が彼のもとへ、走って集まってくる。

 そこにあったのは、また足跡。しかしこれは人のようななにか......。

 300年前の人類が作った痕跡かと思ったが、こんな遠いところまできていない。


「なんだこれは?地球人ではない足跡だぞ......」



ファットとマーシェルがそれを囲むようにし、頭を傾け謎めいている途中にルーカスも初めてその痕跡を目にした。


「............!!!!!」


ルーカスはその足跡がうるっとした目に映ると直ぐに驚いた顔をして小さな声を出した。


それは人類と形が似ている足跡で、唯一違うポイントは横に広がっているということ。



そして、いきなり驚いた彼女を不思議そうに2人はじっと見て、マーシェルはそんな彼女に声をかけるのであった。



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