衛星探索Ⅰ~創造もできない程~

 タイタンに足を付ける。水色の大きな星に。


 三人がつけている宇宙服もきっちりとした最新のテクノロジーで、それぞれの場所が見えるようになっている。

 

 その他、撮った写真も送信することができる。さすがだ。


「じゃあ何か発見した都度、写真を撮って転送してきて」



 ファットの声にみんなが返事をする。宇宙船の時とは大違いの返事をしたマーシェルは、早く早くと探検をしたがっている。ルーカスは相変わらずのきりっとした声だった。


 三人はそれぞれ別の方向へザクザクと歩き始めた。



 宇宙船のドアはガラガラと閉まり、そこへ休むようにしてスリープモードに入った。


「ここには、生物の有無はまだわからないな。危険生物がいる可能性もあるから、きっちりと見極めないと......」


 冷静なルーカスの声が、氷の床に反射する。この星は、あの時以降触れられていない。昔と違うこともたくさんあるはずだ。


 マーシェルはそんなルーカスとは裏腹に、ザクザクと氷の道を小走りで進んでいく。


「なにか、ここでしか見れないものは............。思ったより面白い旅になりそうだ!」



 ちょっと走り疲れたから、休憩でもしようと少し高台へ上がり、何事もなく後ろを振り返るとそこには......月の1000倍ものした、視野に収まらない程の巨大惑星。



 隕石の流れる円を持った土星がどっと、かすみながらも浮いていた。



 あまりにも巨大でいかにも衝突しそうなその星を見たマーシェルは少し恐怖を覚えた。



 それに次ぎ二人も振り向き、少し高いところから土星を見つけた。




 その二人はあまりにも心を動かされた模様で、じっとずっと傾いたその環に、その星に見惚れていた。

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