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丹堂妙乃様。
前略。妙乃さん、毎日、昼間に食事を準備してくださり、ありがとうございます。それ自体は確かに感謝しているのですが、一体どうやって部屋の鍵を開けているんですか。ドアの暗証番号、まだ教えていませんでしたよね。
未言屋店主は、それはそれは不思議で独特な人だったそうです。
例えば、未言を擬人化した未言巫女というキャラが登場する作品が、妙乃さんにお貸しした本にも出てきたと思いますが、未言屋店主は日常的にその姿を見ていたと話していたそうです。霊感のように、未言の存在を認識していたということでしょうか。
俄かには信じられませんが、未言を知ることで、未言を意識すると、それまで気にならなかった些細な物事が、未言だとわかって目を向けるようになります。
それの究極が、未言の姿を見る、ということなのかもしれません。
でも、それは日々未言を実感して過ごした未言屋店主の誇張表現だとは思いますが。
付け足しのようで申し訳ないですが、妙乃さんが作ってくださった南瓜の煮物は優しい味がして、とても美味しかったです。
もし、妙乃さんが大変でなければ、これからも食事を準備してくださると、嬉しいです。草々。
三栗隆文。
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