いくじなし

 サイコメトリー能力を持つ女は、縛りつけられた男の頭に手をかざした。


「ウフフ。あなたの記憶は読み取らせてもらったわ。いずれ組織の人間が来る。これでもう、あなたは用済みよ」


 男はわめいた。


「くそっ! いったい俺の記憶から何を読み取った!?」


「ウフフ。そうね、とりあえず——」


 女は言った。


「些細なLINEの返信に四時間も悩んでんじゃないわよ!!!」

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