荒廃した村

「悪かったな旅人よ。魔物どものせいでこの有様なんだ。昔はこんなにさびれた、すさんだ村じゃなかった」


 酒場の店主は、肩を落として話を続けた。


「昔はこの酒場だってもう2、3種類は酒の種類が多かったし、宿もワラの寝床のワラの本数がもっと多かった。山賊が山から降りてこない日もあったし、蔵の壁の卑猥な落書きだって、もうちょっと色味があざやかだったんだ……」


 もともと、そんなにいい村でもない。

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