山小屋の老婆

 吹雪を逃れてたどり着いたのは、老婆の住む山小屋だった。


 豪勢な料理でもてなしを受けて床についたあと、隣の部屋から老婆の嬉しそうな声が聴こえてきた。


「うひひひひ……。久しぶりの客だ。まるまると太らせてやる……。明日の朝もたんと食べさせてやる……」


 老婆は続けた。


「うひひひひ……。うちの子には全然食べさせてやれなかったからね……。私の作った物をたんと食べてくれる人の姿がみたいよ……。うひひひひ……」


 泣いた。

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