伝説の防具

 老人は重々しく口を開いた。


「勇者殿。私どもはあなたが来るのを待っていました。その昔、真紅の勇者エルニアが携えていた伝説の防具を授けます。これで魔王の呪いも防げることでしょう」


 老人は厳重に封をされた箱の中から、それを取り出して俺に渡した。


「これは……?」


「勇者の遺物にして、至高の宝。すなわち——真紅のスポブラ」


 せめて、黒が良かった。

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