奥義伝授

 死闘の末、白髪の師匠は息を乱しながら「待った」というように手のひらをわたしに向けた。


「ハァ……ハァ……このワシに膝をつかせるとは、強くなったものだな……。お前を拾ったあの日を思い出す……」


「師匠……」


「ふふふ。お前が欲しているのは思い出話などではなかったな。良かろう。これよりお前に我が流派の究極奥義を授ける。まずは深い瞑想が必要だ。さあ、目をつぶれ」


 ついに究極奥義が手に入る。私がまだ見たこともない技……いったいどのようなものだろう。私は緊張しながら目を閉じた。


 すると、


「なーんてその隙に奥義でドーン!」

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