女三人寄れば姦しい

有原ハリアー

ララ様と龍野

蕾と異国の騎士(前編)

※“ララ師匠”は帝国年齢20歳の肉体(つまり見た目は小学4年生)です。

 まあ“合法”というものですね。ぷぷぷ。


「っしゃあ!」

 鋼鉄の的が粉砕された。

 その張本人は瞬間移動テレポートし、一瞬の間に素拳すけんを振るったのだ。

「どうですか、ララ師匠!」

 張本人――もとい、須王龍野――は、アルマ帝国第四皇女、ララ・アルマ・バーンスタインに向き直る。

「それなりだ! しかしもっと成長出来るだろう、お前なら!」

「はい! ありがとうございます!」

 龍野は見事な45度の礼を決める。

「よし、風呂入るか!」

「ええ!」

 ララの言葉で、龍野は風呂場へ向かう事となった。


「ふーっ、さっぱりしたぁ! おっ、ララ師匠!」

 龍野が走って、ララの元へと寄る。

「お前か、龍野! やはり風呂上がりの牛乳とは良いものだな! 飲め!」

「はい! ありがとうございます!」

 ララから牛乳を受け取ると、腰に手を当てて一気飲みする。

「「ぷはーっ!」」

 この数か月で、すっかり二人は意気投合した。


「なあ、龍野」

「はい」

 と、ララから神妙な様子で、言葉をかけられた。しかも何故か、ララの顔が真っ赤になっている。


「その、何だ……この後私の部屋に、来てくれ」


 まるで愛の告白でもするような様子で、弟子龍野に依頼をした。

「はい!」

 が、龍野は何の疑念も抱かず、ララに付いていく事にし――

「馬鹿者! いいかよく聞け、5分後に来い!」

「はい!」

 激しく補足され、龍野はその場に5分間直立していた。


     *


「師匠、失礼します!」

 ノックを終え、ララの部屋へ入る。

「……え?」

 が、思わず絶句していた。

「待っていたぞ、龍野」

「いや、ちょ、あの、師匠?」

 龍野が驚くのも無理はない。


 何故かと言うと、ララは絹のような素肌を外気に晒していたからだ。


「単刀直入に言おう」

「は、はい」

 先ほどまでの気合はどこへやら、龍野の声の張りが弱まる。


「私とシてくれ」


 その言葉をきっかけに、部屋を静寂が支配した。




「あの、師匠」

 沈黙する事30秒。

 どうにか意識を集中させた龍野は、声を振り絞った。

「師匠は、帝国の第四皇女、ですよね?」

「そうだ」

「その、俺が言えた事じゃないんですけど……。そういう倫理観とか、無いん、ですか……?」

 逆鱗に触れかねない、いや下手をすれば文字通り“星”になるであろう質問を、おそるおそる紡ぐ。

 ララが口を開くと、龍野は覚悟を決めるように顎を引いた。

「あるさ。だが私には男がいなかった。イイ男が、な。

 しかしお前は、私がララ・アルマ・バーンスタインとして見る限り始めてのイイ男だ」

 話しながら、ララが近づいてくる。

 龍野は思わず後ずさりしたが、壁に背中をぶつけた。

「ひっ!?」

「そう怖がるな。何も殺そうって訳じゃないさ。まあ、“食べ”はするがな」

 動けなくなった龍野の腰に手を当て、邪魔なものを暴く。

「!? 何だこれは……ッ!(まるで“カミソリのような目つきをした男”のソレではないか……!)」

 ララは目を丸く見開きながらも、ソレに手を添えた。

「こうまでしておいて悪いが、私はいろいろと初めてだ。手加減出来ないし、間違えるだろう。だから、今だけは……お前が師匠だ、龍野」

「は、はい……!」

 龍野の返事を聞き届けたララは、ゆっくりと舌を這わせ始めた。

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