第13話
家族の中での私の「役割」は何だったんだろうか。
その「役割」を演じる中で押し殺してきた私の感情は、どんな感情なんだろうか。
私は子どもの頃、
本ばかり読んでいて外で遊ぶことはあまりなかった
親には逆らえなかったし、意見なんて言えなかった
成績は良かったと思う
弟や妹の面倒をよく見ていた
酔いつぶれた父に毛布をかけていた
「勤勉ないい子」「父の母親」「父のかわいいお人形」
こんな感じかな。
本当は外で遊ぶの、好きだったよ。
学校から帰ったら友達と一緒に遊びに行きたかった。
学校ではよく校庭で遊んでいたし、家を離れて初めに興味をもったのはキャンプだった。
本当は嫌だって言いたかった。
白いTシャツばっかりじゃ嫌だ。かわいい模様のTシャツが着たい。
こんなメガネ、絶対からかわれるから嫌。こっちの方がいい。
貯金にしか使えない一万円なんていらない。それより遠足の前に300円使いたい。
こんな家、嫌だ。私がしたいことは全くさせてくれない。親がやらせたいと思ったことは全部私の希望でやってることになってる。おかしいよ。
「普通」でいたい。
普通の家庭でしないことをしないで。
普通の家は、父親が娘のベットでイチャイチャしない。
普通の家は、子どもに嘘をつかせない。
普通の家には、鬼はいない。
普通の家って、家族みんながちゃんと幸せなんでしょ?
誰かの幸せのために誰かが踏み台になったりしないんでしょ?
子どもでいられるうちは、子どもでいたかった。
年齢重ねてから子どもを取り戻すのって大変なんだよ。
「そんなこと、もう過ぎたことじゃん、もう言ってもしょうがない」と思う気持ちもあるけれど、でも私は子どもでいられるうちは子どもでいたかったんだ。
そう思うのは、いいんだ。
悲しいんだから、悲しんでいいんだ。
「未来のことを明るく想像して、過去をくよくよ振り返らないこと」
これも私が家族から与えられた役割だったかもしれないね。
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