愛着障害、はじめました

@bluemoon15

第1話

「例えば独身で、親兄弟とも半ば絶縁状態で、友達がゼロだとは言わないけど私の内側に入ってこられるのは嫌で何でも話せる友達なんていない、そんな孤独な人でも、愛着障害に向き合うことはできるんですか」

心の底から、こう尋ねた。

もう何年も、生きることに違和感を抱えた私は、わからなかったから。

ねぇ、この生きづらさはごまかしごまかし進むしかないの?

それとも何とかしようと思えば何とかなるものなの?


結論から言っちゃうと、何とかなるらしい。

条件は、いい子になろうとしないこと、薬をちゃんと飲むこと、メンタル系の本やブログにできるだけ触れないこと。

怒ったら◯◯だから怒ってると正直にいう。

今はやめてとか、ちょっと待ってとか、正直にいう。

始めたら脳内からいらない物質がバンバン出るだろうから薬でちゃんと抑える。

ぐったり疲れた時は躊躇なく休む。

カウンセラーなしで、伴走者なしで、いいのか悪いのか判断されてない情報に触れない。下手に触れると最悪、私の存在が危うい。

そういうことらしい。

「占いは?起きたら何となく今日の占いを見るのが癖になっちゃってて…」

それくらいならいいんだって。

今日のラッキーカラーは黄色!ぐらいの情報なら毒にも薬にもならないらしい。


「私たちの仕事の中で、一番かもしれないくらい重いことをします。体のどこかがパンパンに腫れて、膿んでいて、息がかかるだけでも痛いのを想像してもらうといいんだけど、そこを切って膿を出すんです。クライエントさんの同意なしには絶対にやらないことです。今まで痛くて触らなかったところだから少しずつ時間をかけて切っていきます。bluemoonさんは痛い痛いって叫ぶと思うけど、私はそうだね痛いねって言いながら切っていきます。始めるならそういうことをします。何度もやって膿が完全になくなったら、消毒して、包帯巻いて。傷がふさがったら今度はお薬塗って、傷跡がなくなることはないかもしれないけど目立たなくなるようにします。始めたら最後まで一緒にいます。ただ、bluemoonさんは人に傷を見せることになるので、その相手が私でいいのか、それはbluemoonさんが決めてください。」


私の親は毒親…というか放射能のような親で。

毒があるのかないのか目には見えないけどそれ、致死量超えてます…みたいな。

もう傷が表面に出てきてしまった以上、どうにかできる方法があるのならどうにかさせて。とりあえずシンドイから。そんな心境。


ともあれ、愛着障害、はじめました。

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