アイデア出ししてボツにする

紙を前に、頭に思いつくことを書き連ねていく。

思い浮かんだことを、吐き出すように、黙々と書いていく。

誤字脱字、支離滅裂、気にするな。

とにかく浮かんだものを出す、書く、書き続ける。

制限時間は10分。

書き出したものを眺める。

眺めながら、シーン、キャラ、設定などなど、それぞれでまとめる。

別の紙にまとめたものをそれぞれ書いていく。

また眺める。

そこから見えてくるストーリーを、別紙にてまとめていく。

こうすることで、自分が書きたい話がどういうものかが出てくる。


……出てくるのだが、右から左へとボツにする。

たった一度で出てきたアイデアが面白いかどうかは別。

とにかく何度も何度もアイデアを出していく。

そうすれば、今の自分が本当に書きたいものがなにかがわかってくる。


本当に書きたいものはエンタメではない。

誰しもありふれた日々の日常の中で個別に抱えている、他人にはわからない闇とでも呼べる鬱屈した禍々しいものが題材になっている。

そのまま書いてはいけない。

誰も読むに絶えないものだから。

自分史や日記などの随筆に近いものを、多くの読者は求めていない。

だからこそ、エンタメに包む必要がある。

好まれるエンタメを作る中にエッセンスとして混ぜられる他人にはわからない禍々しさが、作品に深みと面白みを与えるのだ。


そもそも創作は、それぞれ作家が持っている味が出る。

ひた隠しにしていても、出てしまう。

出ない作品は、興味を持たれない。

かといって、味だけでは誰も読まない。

隠し味のように漂う作品だからこそ、好まれるのだろう。

味がなければ、誰が書いても同じ。



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