今年も終わりなので

「手紙を書こう」


「いやいや、そこはカクヨム的に『小説を書こう』でいいんじゃないのかな」


「やっぱり手紙を書こう」


「だから、このまえ書いて出したじゃない。それで今年はもう終わりって言ってたでしょ」


「言ってた」


「だったら」


「手紙を書こう」


「わかった、そういう小説を書くんだね。手紙を題材にした、小説。なかなか斬新じゃないかな。そういえば、宮本輝が『錦繍』という、手紙のやり取りで物語が綴られた小説があったね。昔一緒だった男女が別々の人生を生きていて、ふとしたことで出した手紙から物語が始まるという」


「へえ。そんなんあるんや」


「知らんのかい」


「知らん」


「とにかく、そういうお話を目指してるんとちがうのね」


「小説を書こう」


「どっちやねん」


「手紙」


「もうええわ」

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