第10話 地獄の日々
それから数日、人間は頻繁に小屋にやってきては卵を生んでいるか調べていました。そして生んでいないことが分かると、ニワトリを蹴り飛ばして
「こんなに世話をしてやったのに生まないなんてお前はどうかしている。くそ、飼育施設にはお前は死んだと言ってあるから、いまさらどうすれば生むようになるかなんて聞けないんだぞ」
死んだと言ったのはあの人間の勝手でしかありません。しかし、このままでは確実に殺されてしまいます。
なんとかしてあの人間に自分がオスで卵を生めないということを分かってもらわないと…。こうしてヒヨコから成長したニワトリは生き残るために、自分がオスであることを示すことにしたのです。
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