第6話 死んでしまったことになる

そんなこんなでヒヨコの新しい生活が始まりました。施設での生活とは大きく違っていましたが、それでもこの環境で生きていくしかありません。


そんなある日のこと。

自分を買ってきた人間の声が響きます。

「おい!お前のところで買ったヒヨコ、さっき見たらもう死んでいたぞ!なにが元気だ!嘘つきやがって、弁償しろ!」

そのヒヨコとは自分のことでしょうか?ただ自分はまだこうして生きているので、また別のヒヨコのことかも知れません。

「そんなすぐに死ぬわけがないだと?ふざけるな!死体なんかもう犬の餌にしてしまって残ってないわ。いまからそっちに行くから弁償と謝罪する準備をしておけ!」

何やら恐ろしいまでの怒鳴り声で話しています。


しばらくして小屋のドアが開くと

「いいか。お前はもう死んだことになってるんだ。これでタダでもらえることになりそうだが、いい気になるんじゃないぞ。お前にはしっかり仕事をしてもらわないとな」

この人間の言っている意味が理解出来ませんでしたが、どうやら自分は死んでしまった扱いになったようです。

それにしてもこの人間の言う仕事とは一体をすればいいのでしょう?


こうしてヒヨコは疑問を抱えながら、汚れ果てた小屋で暮らしていくことになりました。

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