閑話 ヤマトの手記帳
カルナの試験から始まってエルとの再会、遺跡あ、探索に盗賊の一件にメノフィラの引き入れ。色々あったがその大半が濃くもどこか不完全燃焼な気がしなくもない。遺跡探索に関してはああいう遺跡とかの奥にはラスボス的なものが待ち構えているんじゃ?と思ったり、試験でおとずれた村では
帰還してから模擬戦を挟んでしばらく、メノフィラを正式に引き入れた後、俺たちは遺跡での収穫物の調査をしていた。収穫物は謎の結晶と大きな本、加えてカルナの包み……はまた今度。今は前二つについてだ。
まずは結晶の方から。
以前エルが説明したようにこれの原材料はアスロウム純粋結晶という貴重なもの。効果は魔力に強く反応すること。中には魔法陣が刻まれ、意味は何かを封じ込めるないし格納する効果だと言う。エルの実験では簡易的な魔法の格納には成功し、魔法陣の内容の正確な翻訳で魔物の格納も可能になる可能性があるらしい。
色の違いは川の石と同じことで、特に意味は無いとか。ただ、何かあるかもしれないから今も魔力を注ぐ作業は続行中である。中になにか居たら面白いなと思う日々である。
次に本だが、これはある種の魔法書だった。言ってしまえば魔法の教科書といったところか。基礎的な魔法理論から応用を遥かに超えた超実戦的魔法まで広く深くを押さえた物だ。ルルなんて朝から晩までずっと読みふけっている。本自体はそれなりに古いが文字が現代と変わらず、若干言い回しが違う程度なのは幸いだった。
そして黒龍に関して。
メノフィラは元帝国軍諜報部である。やはり黒龍の情報を掴んでいた。彼女もそこまで細かな情報は有していなかったが、一つ言い切ったことがあった。「黒龍はウェントッド大陸北部に居る。確実に」だそうだ。これで光明が見えた。闇雲に探す必要が無くなった。黒龍程の奴だ。居られる場所は相当絞られるし、何より情報が多少は出回る。やっと手が届き始めた。あと少し、あと少しである。
それで、全てが終わる。
風舞の月 十三日
第六章 完
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