干し柿の話

 晴れて風も穏やかでしたが、空気は乾いて冷たく寒いという、干し柿には最高の天気でした。

 よく干し柿がカビてしまうと聞きますが、カビる要因として考えられるのは、気温が高い、湿度が高い、風通しが悪い、日当たりが悪いという四点です。

 我が家でも干し柿を始めた頃、せっかちなダーサンが10月下旬にやると言って、私の意見を聞かず干したことがありました。

 しかも200個以上も剥き、風通しを優先して、半日は日陰になってしまう場所に。結果、カビはしませんでしたが、渋が抜けませんでした。

 干したら甘い干し柿が出来る訳ではないんですね。


 風通しが良く日当たりが良い場所で、じっくりと乾いた冷たい空気に当てながら干すのが、理想です。


 干し柿を作る時のカビない工夫には色々ありますが、代表的なのが熱湯による煮沸と、焼酎を表面に霧吹きする方法です。

 どちらも柿の表面を早く乾燥させる効果と、表面の雑菌を滅菌する効果があります。

 でも、やらなくても全然問題は無いですよ。私の母は、剥いて渋だと判明した柿をそのまま軒先に吊るしますが、カビたことないみたいです。

 たぶんカビるのは、湿度と気温のせいと思います。


 最初の失敗から、ダーサンは干し柿をやる判断基準を自分なりに決めています。

 好天、もしくは曇りでも降水確率が低い日が続く。

 最高気温が10度前後まで低くなる。

 11月中旬以降。大霜が降る前。柿が完熟しないうち。

 その年ごとに変化する天候を見極めながら、ちょうど良い時期に合わせるのが大事なんですね。


 熱湯煮沸のポイントを最後に。

 今年は柿が大実だったので、10秒カウントで熱湯に潜らせましたが、普通の柿なら7秒ほどで充分です。

 熱湯に潜らせたら、キッチンペーパーなどで水気を取ってくださいね。

 ちなみに焼酎霧吹きは吊るしてから。ホワイトリカーや柿渋抜き焼酎を使ってください。アルコール度数が低いとかえってカビます。

 吊るした写真をアップします。


 あ、干し柿を揉む作業もあります。

 干して二週間か三週間目にひとつひとつ、優しくもみもみして糖分を均一にして、カチカチに硬くならないようにする作業です。

 手間、掛かるんですよ。



*2018/11/24(土)


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る