雪凍りの料理旅

櫛田こころ

0.唄


 いにしえより伝わる、旧い歌言葉がある。



 数多の星々は、地上に降りるべく『石』の形となって地の調べを楽しんだ。



 宙とは違う水を浴び、

 宙とは違う風を感じ、

 宙とは違う生を知った。



 そして、手を取りまじわり、生との間に子を成した。



 これらが、石とヒトの合いの子『星族』の始まり。






 星族とは違う種族も、数多くいる。



 その中でも、特に伝説と化している種族は『雪』が祖とされていた。



 雪を糧に、

 雪を抱き、

 雪と共に生き、

 またすべてを生み出せる故に、

 銀髪と青銀の瞳を持つ。



 だが、その力を欲する貪欲な種族が多く、逃げに逃げて彼らだけが棲まう里があるのも、また伝説。



 しかし、好奇の欲に負けて抜け出す民もしばしばあるとされている。



 その二つの種族が、出会う事はごく稀。



 その出会いに繋がる糸は、そう遠くないかもしれない。

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