k-22
18:30
特段モンスターに遭遇することもなく、小屋に到着した。
早速俺は、小屋の周りに糸で鳴子を仕掛けた。
これで、寝ている間に糸に触れる敵がいれば、小屋の中で木がカランカランと鳴る。
念のため、糸よりも小屋側に、かなり深い落とし穴を3つほど掘った。
穴に葉付きの木の枝をいくつか乗せて、その上に軽く土をかぶせてカモフラージュする。
今日はもう良い時間だし、結構体力を使った。疲れたので、イレーヌ薬草を噛む。すると体がぽっと暖かくなり。
『個体名:奥田圭吾の体力は11→12となりました』
それから俺は、金網でブルーウルフのステーキを作り、新しく仕入れた果実酒と一緒に食べた。
新しい果実酒は白く透き通った色をしており、少し辛口の味がした。
【バルゴの果実酒:辛口の果実酒】
白ワインのような見た目だが、また少し違う不思議な味わいのするお酒だった。
簡易竈に火を入れたついでにポーションと、毒薬を作成することにした。
まず、ポーション作りだが、イレーヌ薬草、ベルジン魔法草、デルーンの実を一緒に煮込んでみた。
できた煮汁を一舐めしてみると、頭がシャッキリし、体がポワポワ温かくなる感覚があった。
鑑定してみると、【デュアルポーション(中):体力傷回復(中)、魔力回復(中)、気力回復(中)】と出た。と同時に、
『個体名:奥田圭吾はスキル、錬金術Lv2を獲得しました』
次に、鍋を毒草用のものに取替え、ガドル毒草とバドル毒草を一緒に煮込んでみた。
結果的に毒々しい色の液体ができた。鑑定してみると、【毒薬】とだけ表示される。
ムレーヌ草の解毒ポーションを用意し、勇気を振り絞って、一滴だけ舐める。
――そして、世界が回った。
グワングワンと耳鳴りがする。俺は急いで解毒ポーションを飲み、その場にぶっ倒れた。
時計を見ると、30分くらい倒れていたようだ。頭を振って、何とか立ち上がる。
『個体名:奥田圭吾は毒耐性Lv3を取得しました』
俺は再度、毒薬を鑑定してみる。
【ゲバル毒:薬効(中)。レジストするためには毒耐性Lv5以上が必要】
何とか無事だったのは、毒耐性Lv2だったことと、解毒薬の効果、それと毒自体が少量だったからと思われる。
この世界で毒耐性は、実のところ、物凄く重要なのではないだろうか。
俺はゲバル毒に矢尻を浸し、暫く乾燥させてみた。残りはサラサの店で買ってきた小瓶に入れた。
間違って、矢尻で指とか切らないようにしないと。そのために、マルゴの店で弓用レザーグローブを購入したわけだが、一抹の不安は残る。
解毒ポーションは最低限の備えである。
次にファイアダガーの製作に取り掛かる。
バルゴ果実酒を軽くやりながらの作業だ。劣鉄製のダガーを火炎研磨石で研磨していく。1本辺り10分くらいかかっただろうか。
小一時間で4本分のファイアダガーが完成した。
『個体名:奥田圭吾はスキル、鍛冶Lv2を取得しました』
1本は自分用、3本は売却用。もう1本の普通のダガーは解体用だ。
解体するときにファイアダガーを使うと、傷口を止血してしまい、血抜きができないと考えられた。
丁度チャッカマンの燃料が切れてしまったところだ。しかし、ファイアダガーがあれば、火起こしの用は足りる。
23:00
流石に疲れた。俺は歯をみがき、布団にもぐりこんだ。
◇◇◇
夜中、鳴子がカランカランとなって、俺はガバッと布団をはねのけた。
盾を装着、ショートソードと弓を持ち小屋の外に出る。と、そこには落とし穴にはまったゴブリン二体がいた。
俺は弓で穴の上から、毒の矢をお見舞いした。ズドッ、ズドッ。ゴブリン2体は、ビクンビクンと体を痙攣させ息絶えた。
俺は穴からゴブリンを引きずり出し、糸を再設置。落とし穴をカモフラージュする。
夜も遅い。倒したゴブリンは明日解体することにして、、俺は再び体を休めることにした。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
みなさんこんにちは! ここまでお読みいただきありがとうございます。
ということで、ゴブリンとの戦闘回でした。
ゴブリンなんて雑魚じゃね? と皆さん思うかもしれませんが、いやいやそんなことないっしょ、というのが私の思うところでして。そんなに言うなら、試しに素手で殴り合ってみ? とも思います。(というかゴブリン刃物もってるから、通り魔みたいなもんなんじゃ)
こんな異世界怖すぎますわ……。
(作者のモチベになりますので本作が気に入ったら、☆、♡、お気に入り登録、応援コメントよろしくお願いします🐉 書籍、コミック、ニコニコ漫画での連載も宜しくです🐕)
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