第17話 故郷 さらば
17 故郷 さらば
故郷は子宮
子宮が故郷
鹿沼はぼくの母体
子宮外妊娠
シーザーのようにトリアゲラレタ
剣をペンにかえて 産まれたぼく
鬼っ子だ
醜は悪
悪魔がみにくいならば
書くことも 醜い宿命
青い血液
ひとびとにサゲズまれながら
ハシをペンにかえて
生きつづけた
物狂いだ
成長は退化
退化が成長ならば
熟さないことが ぼくの誇り
欺瞞の花を咲かせることはできない
おまえはバカだ
だれにも 相手にされず 村八分
母の子宮をけやぶり
コトバを
青いクチバシから
紡ぎだし
あまり長く狂気でいると
狂気は正気と 思えてしまう
正気のまわりの邪気は
磁場にすいよせられる
砂鉄
さざ波をたてる口うるさい流砂よ
黄金ではなく鉄のぼくは
あなたたちにまといつかれると
錆びてしまう
赤錆だらけのぼくを
溶鉱炉になげこむのが
あなたたちのねがい
黄金は鍛えられても金
鉄は熱いうちに鍛えれば
ハガネとなる
ハガネで鉄骨の森をつくれ
森は狂える獣の憩いの場所
わが故郷
わが子宮
流砂よ
さらば。
注 このころ村八分にされて自らを消去しようと悩んでいました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます