そうか、

 なんかそのときはうまく飲み込めなかったけど、ただ彼がそんな真面目な話を真正面からしてくることにひたすら驚いた。それまではぜんぜんそんな面は見せなかったので。ああ、このひとは覚悟があるのだな、と知った。

 うつむいたときの景色はいまでもよく覚えてる。ガストの木目調のテーブルに野菜ジュースの明るいオレンジ。

 ぎりぎり深夜加算がされてたんだっけ、されてなかったんだっけ。30分くらいで店は出たけど深夜加算の時間帯にファミレス来るなんておとなになったよねと話をした。とても若い話題で、若いノリだった。あのとき、私は22歳で、彼氏は大学二年生だった。

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