第2話「ボールペンが逝きました」

2003年1月4日


「ボールペンが逝きました」


 ボールペンが逝ってしまいました。以前は適当な熱を使ったらインクがまた出てくると聞いたので100円ライターの火であぶったらレフィルがどろどろに溶けて逝ってしまいました。今度は同じ過ちを犯すまいとファンヒーターの前に立たせました。その結果インクがレフィルの中で別れて何か所ものセブラ模様になってまた逝ってしまいました。可愛がっていただけに逝ってしまい哀しく思います。

 前にインクが出なくなったときは、ポールペンの先を立たせているかと思い寝かして使っていました。今回もインクが出なくなったのは生まれつき持っている筆圧が高いせいかもしれません。事実何枚も紙を重ねているとすべてに凹凸模様が出てしまいます。

 どんなに努力しても最後までインクを使いきれたことがない今罪悪感に悩まされています。このまま永遠に不幸な業を背負って生きていかなければいけないのでしょうか。ほんの少しでいいから普通の幸せが欲しかったです。

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