予定2

 急坂から斜めに切れ込んだSUVの頭が、家屋の壁をぶち抜き腹を往来へ晒してタイヤのないホイール部は空をかき回していた。32分で刻む間断なき鉛玉が降り注ぎ、車両が形を変えていく。種類はわからないが、アサルトライフル特有の  音が遠い場所で暴れている。頭上、家屋の峰の上を占拠しているらしい。

SUVには誰が乗っているのかはわからないが、雨のように  mm弾が執拗に撃ち込まれる様に

 無差別ではなく、SUVの中にいる人間への明確な殺意だ。

 止めに入ろうにも射程の短い、ダブルアクション(一発ずつ引き金を引く)のベレッタではフルオートで弾数も多いアサルトライフルには太刀打ちできない。

 街中で暴れているなら、SWAT隊が直にやってくるはずだが、そんなものは既に織り込み済みの捨て石に違いなかった。麻薬を打てば、恐怖も紛れる。トリップした脳に言葉で欲望を刺激してやれば、何でも

SUVの中の誰かには興味がないが、知り合いの警官が人手を集めて、応戦している。敵を刺激するとトバッチリを受けるだけだ。

 エメルはベレッタを警官の数歩手前の路面めがけて1発撃ち込んだ。

 警官は反射的に振り返って銃口をエメルへと向ける。

 撃ってきたら、射線上から身を隠すつもりだったが、眼の

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