餞(はなむけ)

君のためのエンドロール

残された者とこれからを行くそれぞれにとっての

僕たちのエピローグ

名残惜しむように漂う クラッカーの煙


幾ばくか持ち寄った 色とりどりの花びらと

そっと隠した 寂しさは愛おしさの裏返し


共に歩む人はおろか 先導する者はなく

ただ人は 馬の鼻をく先に向ける


だけど一人ではない

花びらを撒き 馬の鼻を先へ向ける人がいるのだから


これはどこにでもある数多の物語の

どこにもないただ一つの大事な物語

君のためのプロローグ

それぞれの道を歩く そのあなたへ向けた

僕たちのオープニング

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