ハルとあきカン

じれったいんだ

体中がむず痒いんだ


仕方がなくて 歩き出す

目的も 移動手段も縛りがない

つまりは自由で つまり不自由で


途中寄った自販機で 選んでは見るけど

結局は投げやりにボタンを押す

それを大事そうにポケットにしまう


サイダーの味がする その円柱形は

何かの始まりだったの?


キンと冷たい冬よ まだ行かないで

グラッと暑い夏よ もう少し待っていて


この気持ちは嘘じゃないから

何か起こりそうで

何かを起こせそうなんだ


こんな曖昧な気分は きっと“ハル”のせい


優しい陽気に混ぜた寂しい風が

僕の捨てようとした

あきカンを鳴らす

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る