第15話 胸の痛み

「玄師くんはやめよっか笑」


「はぅ...け、玄師...?」


「疑問形だけど、よく出来ました笑」


「えへへ...笑」


玄師は頑張って笑おうとする由衣の姿を見て心が少し痛んだ。本当なら自分さえも怖いのではないかと心のどこかで思っているが故の感情だった。


「ちょっと温めようか、あざ」


「はぁい...」


「温めた濡れタオル持ってくるから待っててね?」


そしてまたキッチンへと姿を消す玄師だった。


「...すぅ...すぅzzz」


戻ってくるとお腹を出したまま安心しきった顔で眠る由衣の姿があり、そっとホットタオルをお腹に当てて看病していた。

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