4章 そだてる
「これでもう、だいじょうぶ」
ひめさまのおかげで、きつねのこどものけがはなおりました。
「また、あいましょうね」
そしてきつねのこどもをもりにかえそうとしました。
しかし、きつねのこどもはいやがりました。
からだをぶるぶるとふるわせ、ひめさまのてからにげようとしたのです。
「どうしたの?」
ひめさまがいちどきつねのこどもをゆかにおき、ふしぎそうにたずねます。
「もしや、おやがいないのでは?」
こたえたのは、じいやでした。
きつねのこどもは、そのとおりといわんばかりに、ひめさまにからだをこすりつけてきました。
「ありがとう、じいや。そうね、そだててあげましょう」
こうしてひめさまは、きつねのこどもをそだてることにきめました。
けれど、じいやはそのひのよる、とつぜんながいねむりにつくことになりました。
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