この当たり前の世界に救いをください

シドー

第1話 始まりは寝坊から

「………」


 ついさきほどまで俺はいつも通りジリジリとなる目覚まし時計に起こされ、洗面器に行って顔を洗い、黒色が特徴なブレザーの制服を着て、今日の朝食のパンと牛乳を味わった後暖かい紅茶を飲む、快適な朝を迎えようとしていたんだが、部屋にあるホワイトボードに書いてあることに驚愕し、現在時計とホワイトボードに書いてある時間を見比べていた。


『明日はマンション地区にポップ反応があったため750に現地集合。PS 遅刻したらまじでやばいから絶対に遅刻するな!!』


現在の時刻……7時40分


「やっべ……」


 残り時間10分、俺こと雨宮修あまみやしゅうは急いで身支度をして家を出た。



「くっそー!!昨日目覚まし時計設定するの忘れてた―!!」


 こんな朝っぱらから大声を出したら近所迷惑になると思うが今は気にしている場合ではない、歩いている社会人と学生、お年寄りを避けながらただひたすらに目的地まで走る。


「おいシュウ!」


「ん?おおヨウスケ、お前もか!」


 後ろから俺を呼ぶ声が聞こえたため振り向くと、そこには同僚の田崎陽介たさきようすけの走る姿がそこにあった。


「ああそうだよ!寝坊しちまったんだよ!」


 確かに先程から揺れていいる寝癖が寝坊の証明をしている。

 陽介の髪は俺と同じショートヘアーだが、髪の色は俺の黒色とは違い栗色なため余計にその寝癖が目立つ。


「そうか、とりあえず急ごうぜ!これに間に合わなかったらアイツになにされるか分かったもんじゃないからな!」


「そうだな!」


 そこから俺と陽介は目的地まで走り続けた。



『現在、ここマンション地区にてポップ反応がありました。速やかに建物に避難してください』


 何分間か走っていると避難警報が聞こえるところまで来た。

 

「シュウ!あれを見ろ!」


 陽介のいった方向、奥の方を見ると、そこではもう戦闘が始まっていた。


「あちゃー、もう始まってたのか、これは怒られるの確定だな」


「そうだな」


『ハァー』


 怒られるの確定と分かった瞬間、俺と陽介は立ち止まりため息をついてしまう。

 ……いやまてよ?そうだ!


「なあヨウスケ、怒られずに済む方法を今思い付いたんだがやってみないか?」


「それは一体どんな方法だ?」


「それはだな――」


一、武器を構えながら走って向かう

二、なにくわぬ顔で戦闘に参加

三、そのまま溶け込み、元からいたとみんなに認識させる

四、怒られずに済んで俺たち二人は生き残る


「――というわけだが、やるか?」


「やろう」


 まさかの考える事なく決まるとは……まあ死にたくないからね、出来る限りの可能性にかけた方がいいしね、うんうんわかるわかる。


「よし、そうと決まれば」


「やってみましょうかね」


 俺と陽介は腰に携えてある武器を鞘から取り出した。

 俺は剣で陽介は刀、己のスタイルに合う武器を構え、戦地へと走り出した。

 

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