第4話 エルフの女の子って萌えますよね(威圧)
「あの、聞き間違いと思うんですけど、僕が何ですか?」
先ほどエルフの女に言われた、破壊者という単語に聞き覚えはなく、何かの間違いだろうと思い聞きなおす
エルフの女は形のいい眉を吊り上げる
「使役者だといったの、お前が黒龍をつれこの森を徘徊していたのを見ているわ」
(えっとつまり俺がファフニールを従えていると勘違いしているわけか、誤解だし早く解いておく必要があるな)
「えーと、それなんですけど何か勘違いしてません? 僕にそんな力はありません、誤解ですよ」
あまり刺激を与えないように丁寧に話す
こうゆうやつは下手に刺激すると何してくるかわからないからな
「黙りなさい! お前が黒龍を連れて森を焼いていたのを私を含め数多くの者が目撃しているわ、さらにお前は黒龍と一緒に巣穴に帰っていくのも見ている。あの黒龍がお前のような人間を食べずに生かすはずもないわ、貴様が魔法で使役した以外考えられない! 何が目的?」
(この女、聞く耳すらもたねぇ!!!)
これではどんな説明をしてもこのエルフの女は絶対に信じないだろう
憤怒に包まれた顔を見ればわかる、これはガチでキレてる
俺何かしたっけ? してないよな?
怒りに満ちた彼女の顔を見て焦る
(大体
目の前のエルフの女は今も弓を構えすぐにでも矢を放ってきそうな雰囲気を出している。
この状況を打破すべく俺はやるしかない
「フハハハハ! よくぞ見破ったな、エルフの女、そうだあの黒龍は俺の魔法(嘘)で使役した(してない)。ハーハッハッハ!」
俺は高らかに笑いそう公言した
こうなったらとことん演じてやる
「やはりそうなのね......目的は何!」
エルフの女は弓を引く
「おっと、いいのか引いても?」
挑発するように笑みを浮かべる
その笑みに何かを感じたのか
「どうゆうこと?」
「俺が死んだら、黒龍に仕込んでいた魔法が発動し、この周囲一帯を焼き尽くすように命令してあるんだよ、それでも攻撃するのか?」
もちろんそんなことはしていないはったりだ
弓を引かれたらどうしようもない、ならば相手に攻撃させない状況を作るしかないのだ
正直内心では、信じての一点張りだ
足は震えてブルブルしている
正直他から見たらみっともない姿だろう
そんな哀れな俺の祈りが通じたのかエルフの女は悔しそうに弓をおろす
(助かった......でもここからだ)
ここまではなんとか予想通りに進んでくれた
だがここからエルフの女の誤解を解きさらには友好関係を築かなくてはならない
(そうしないとここで生き残れるかわからないからな)
エルフとの友好関係が築くことに成功したら、食料を恵んでくれるかもしれないし、住居も貸してもらえるかもしれない、それにあのエルフと......
(いかんいかん、妄想がつい加速してしまった、だがまあ......)
俺は目の前のエルフの女を見る
身長は160㎝ぐらいだろうか、俺より低いくらいだ、だが日本人と違いすらりとしていてスタイルがよく足が長い、だが......
俺の目線は下から上へと動き胸元で止まる
胸元見て俺のテンションは下がっていた
そう小さいのだ、小さすぎるぐらいだ
(まあ別に俺は巨乳派でもないからいいが、いや別にあれだよ? 大きいのも好きだよ? だけど小さすぎるのもね)
変な目で見られていたせいかエルフの女の顔は真っ赤になっていた。
それは別に俺に惚れて頬を赤く染めているわけではなく、終始奇異の目で見られていたせいで怒りが限界を超えたようだ。
「お前! 先ほどから私の体をじろじろと......もういい」
「いや! 別に断崖絶壁とか思ってません!!」
「馬鹿にしてるの?」
一瞬だった......
エルフの女が姿勢を低くしたと思ったら一瞬で俺の懐まで走りこんできて、蹴撃をくらわされた
「がはっ!!!」
そのままぶっ飛ばされ地面に転がった
あちこちに擦り傷ができる
だがそんなことお構いなしとエルフの女はこちらに向かってくる
その目は憤怒に満ちていた
「ちょ、ちょっと待って!!」
俺は慌てる
もしかしたら殺されるかもしれない
そう感じさせるほどの眼光
「黙りなさい」
右手を構えこぶしを握り締める
「何を......」
そのまま俺は何度か殴られ気を失った。
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