俺の友達 2話 sid~イケメン顔の竜磨~
精一杯の強がりと、私の自己満足です。
後悔は無い。
===========================================
(3年の、先輩・・・・・・・・)
酷く強面をした男数人が身につけていた制服に記された、『Ⅲ』の文字。この学校特有の学年を表す文字であり――彼等が先輩だと証明していた。
俺と誠也は勿論1年で、死角で見えない女子も恐らく1年だろう。
今の時期で、先輩が目に付けるのは一番下の1年が大本だと思っている。
(無理だろ・・・・・・・・・・・?)
状況は絶望的だ。むしろ、先程までの相手が男、という情報だけの方が冷静で居られた。どういうことだ!?先輩との不祥事ともなればアイツは生徒指導どころでは済まない。
下手をすれば教育委員会での議題になる可能性すら在る。そんな状況に、どうして・・・・・・・・・・・・。
「もう一度問います。貴方達は、何をしているんですか?」
(え・・・・・・・・・?)
さっきの先輩達の言葉が聞こえなかった――いや、それはありえない。自分の考えを自分で否定して、俺は首を振った。聞こえないわけが無い。
誠也よりも離れた位置に居る俺にすら内容が明白に届いたのだ。誠也に届かないはずがない。
「ああん?うるせぇんだよさっきから!」
「見てわかんねぇのかこのガキ!」
怒りが、誠也へと注ぎ込まれた。
その中で、何も喋らずにただ男達の瞳を見据える誠也。ちょうど反対側に立つ誠也の瞳は、一瞬の揺るぎも無く意志を宿していた。
――体中を、雷鳴が駆け抜けるように震えが襲った。
それは、畏怖か、恐怖か、尊敬か、羨望か、嫉妬か。言葉に纏められない複雑な感情が合わさって混ざって―――
「かっけぇな・・・・・・・ちくしょぉ!」
けど、それで良い。
「おい!俺も1年の見方するぜ!」
同じ1年なのに、上からの物言い。何様だって思ってるんだか。
でも、それで良い。
「そこの女子!今すぐ逃げて職員室へ行け!」
見れば『Ⅱ』の文字。先輩に向かってタメ口で、しかも命令口調。最悪だ。彼女の瞳には俺も先輩と同じように映ったかもしれない。
だが、それで良い。
最後の力を振り絞るようにして少女は走って行った。呆気に取られた先輩たちが残る。
「先輩方?少年院への入り口が来るまで、俺達と遊んでくれないか?」
不良の先輩に向かって、上から目線。絶対に許してくれないだろう。
それに、誠也も俺の都合で、一存で巻き込んでしまった。後戻りは出来ないし、怪我でもしたら俺だって少年院に送られるかもしれない。
――だが、それで良い!
誠也の顔を見れば、驚いたように俺を見つめたままだった。馬鹿だと罵ってくるか。それとも巻き込んだことを怒ってくるか。それとも、いつもと変わらずに1
けれどそれは、全てが終わった後だ。
先輩達は、何も言わなかった。けれど、不良同士の息の合った思考なのか、半分に分かれて俺と誠也の方へと歩き出す。
怒りに満ちた、殺気まで感じるような恐怖。まるで蛇に睨まれた人間のような・・・・・・・・・・・・・・・・・。
(・・・・・・・・・・・・・・・・なんだっ・・・・・)
突如笑みを浮かべた俺に、今度こそ先輩は反応を示した。歩いて来るのは3人。誠也には2人。3人の屈強な男。しかも先輩で不良。でも――
(誠也のあの眼の方が怖かったよ)
――視界が、一気に開けた。
まるで雲の隙間から差し込む陽射しのように恐怖が解けていく。この先輩達の怒りは全て、小学1年生の感情だ。
自分の思い通りにいかないから拗ねる。拗ねて逆ギレして、そしてまたそれを繰り返す。
(なんだ)
怖くなんかない。先輩だからなんだったんだ?目の前の男は――
「ただの子供みたいだぜ?」
=============================================--
・・・・・・・・・・いや、あったかもしれない。
でもまあ、偶にはストレス発散したかったから。うん。語彙力が無いのは勘弁して~。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます