二日目

二日目 昼

GM「おはようございまーす。今日も良い天気です。ラッキーアイテムは傘! なんちゃって! さてさて、昨晩教祖にぶっ殺された人は……金城さんでした」

金城「ええ! うっそー。やだやだー」

GM「私と一緒に、来てくれますね?」

王子様のように手を伸ばすと、満更でもなさそうに飛びついた。

金城「もーしょうがないなぁ。ま、いーやトイレ行きたかったしー」

GM「夜時間に殺された方は発言しちゃダメですからね。まぁゲームに関わることじゃないので、大目に見ますけど。さぁ気を取り直して、会議を始めてください」

風間「どうする? 魔女の結果か、エクソシストの意見を聞くか」

柳瀬「俺は魔女の結果から聞きたいな。どう? お二人は」

椎名「いいよー。なんかムカつくから森下を占ったよ。平民だった、最悪ー」

助かったけど複雑な気分だ。

篠宮「俺は向井を占った。俺を魔女と確定させたいと、何度か言っていたのが気になったからだ。これは平民というよりも、早く本物の魔女を見つけて、さっさと殺したい教祖側の発言に聞こえた。だが結果は平民だった。すまない、勘が外れたようだ」

向井「ちょ、しのみーそんなこと思ってたの? こわー」

風間「まぁ理由としては篠宮くんの方がちゃんとしているな……だが椎名くんの性格のことも僕は分かっているつもりだ」

椎名「委員長、やさすぃー」

柿沼「お前そんなこと言ってる場合じゃないぞ。このままだと信用合戦で篠宮に負けて処刑だ」

椎名「ええー? しょうがないじゃん。怪しいと思ったのは確かだしー」

富永「無能魔女と有能信者かな。無能のフリしてるなら鳥肌もんだけど」

椎名「あたしは本物だよ!」

森下「エクソシストは、教祖が出てから名乗り出てもいいかもな。夜に殺される可能性が低くなる。ただ、何も言わずに消えてしまうことが一番厄介か……」

向井「じゃあさ、とりあえず杉原ちゃんが教祖だったらお仕事しなきゃじゃん? その場合は名乗り出てもらおっか」

風間「ではエクソシストの人は、杉原くんが教祖だったら、手を上げてくれ」

誰も動かない。昨日は平民を処刑してしまったようだ。

柳瀬「なるほどねぇ。まだまだ教祖紛れ込んでるな、これは」

小谷「ちょっと話変わるけどいいかな。偶然かもしれないけど、昨日杉原さんは金城さんに入れてて、金城さんは森下くんに入れてるんだよね。二人は平民だったから、相手が何の役職か分からない。だから森下くんも平民っぽく見えてくる。だとすると、椎名さんが本物で合ってることになるんだよね……」

柳瀬「あんまり根拠にはならないけどねぇ」

椎名「谷ちゃんナイスアシスト~」

風間「ん? ……小谷くん、君は篠宮くんに占われているぞ。椎名くんが本物なら、君の占い結果はなかったことになるね」

小谷「うん、そうだね……椎名さんに占ってもらったら確定で平民って事になるけど、私よりは一人でも多く占って欲しい気持ちがあるなぁ」

椎名「助けてくれたし占ったげよっか~?」

柿沼「小谷ちゃんが確定平民になる前に、教祖に狙われるだろうね。警察が誰を守るかだけど」

椎名「え、守ってあげればいいじゃん」

柳瀬「護衛先言っちゃったら、他の奴が殺されるだろ」

椎名「谷ちゃんは絶対守られるじゃん。何かダメなの?」

柿沼「あー……まぁ確定の平民がいてもいいけどさ、この先絶対教祖に殺されるんだぞ? ずっと守れってのか? それよりも役職持ちを守るべきだと思うんだよな」

富永「あれ? てかさー。確定白にするなら、既に占われた奴なら誰でもいいんだよね? じゃあ椎名は小谷ちゃんか向井を。ハク様が森下を……占ってみる?」

風間「うむむ……これは皆で決めた方がいいかもしれない。多数決を取ろうか」

向井「まぁ確定平民はなるべく増やしといた方がいいよね。結構人数いるように見えるけど、意外と処刑できる日数って少ないからさ。今日平民を処刑したら、結構ピンチになってくる。初日の二人は平民よりって考えでいいよね?」

富永「教祖だから分かるんですかぁー?」

風間「僕も初日二人が平民だということはあまり疑っていないぞ。向井くんは誰でも分かる事を言っているだけだ」

富永「あれ委員長、なにげにひどくない?」

柳瀬「お前がおちょくるから悪い。あ、俺は小谷ちゃんを確定にするのに賛成。森下と向井じゃ平民確定でも、こいつらが文句言いそうだ」

富永「あたしらのせいにしないでくださーい。まぁ確かに……できれば信用できそうな子が良いのは賛成」

篠宮「俺の方は自分で決めてもいいか?」

柿沼「んー、篠宮は確定出すの賛成なの?」

篠宮「俺がまだ信用されてないという事だな……皆をまとめられる人物は必要だと思う。確定枠は多くても二人ぐらいでいいだろう。それよりはグレーを動かしていきたい。できれば教祖を見つけたいが……そこまで俺が生き残れるか分からない」

柳瀬「そっちの女子二人は何か意見あるー?」

柏木「……今日の投票は、占い先と魔女を避けた人たちの中からランダム?」

柳瀬「そーなるっかなー」

相川「……」

二人の顔は暗かった。先程から黙りがちだ。

相川「えっと……確定を出すのはいいけど、次の日教祖って結果が出るかもですよね……? 可能性は低いとは思ってるんですけど、まぁその場合……その人を処刑してみるのは良いんですけど、エクソシストが重要になってきますよね……。その時いなかったら、どうしますか」

森下「確かに……必ず平民が出るとは限らない。杉原は最後の言葉から恐らくエクソシストじゃない。でも金城は、発言からは分からなかった。いなくなってる可能性も頭に入れておいた方がいい」

風間「難しくなってきたな。ただ今は信じるしかない。三日目ともなれば、かなり情報が出てくるだろう」

GM「そろそろ投票タイムにしましょうか。方法は君たちに任せますよ」

皆考え込んでいるようで、言葉数が少なくなる。

富永「ちょっと言葉足りなかったかなぁ、潜伏教祖に一票。柏木ちゃーん」

柳瀬「確かにそれは思ったかも。また最後ら辺に投票すると委員長に怒られそうだから、最初ら辺に投票。柏木ちゃん」

風間「君はまた人の投票に乗っかって……自分の意思を見せたくないように感じるぞ。あ、ええと……発言してしまったが、投票はまだでいいかな。できれば即処刑を避けたいんだ」

柿沼「自分に票が集まった時に調節できる為かなー? うそうそ、委員長は優しいもんね。じゃ俺はねー単純だけど相川ちゃんに入れよっかな。もしかしてエクソシストが死んだ事を知ってたりしてねー?」

篠宮「富永だ。話を逸らそうとしているように見える」

椎名「ぷぷぷ、ハク様こいつただのバカなんだよー。あははは疑われてやんのー。ってあたしはあんまり同意しちゃいけないんだった。あーあ協力し合えると思ったのになー。うーん、じゃああたしも柏木ちゃん」

森下「委員長の性格上、誰も疑いたくないっていうのは分かるけどさ、結局どういう風に見てるのかは分からなかった。委員長から見たらどこが怪しく見えてるか教えて欲しい。投票先とは別でいいからさ。委員長に入れておくよ。疑ってるわけじゃない」

柏木「先に私に発言させて欲しい。このままじゃ処刑されちゃう。後から分からない方が困ると思ったから言っちゃうね。私は役職持ちです。色々考えてたらあまり発言できなかった。ごめんなさい。投票は相川さんに」

小谷「潜伏してたように見えたなら、私も相川さんは発言少なかったと思うな。入れるね」

向井「三票ずつになったか……ちょっと合わせにいった人怪しくみえるかも、とか言っておこうかな。委員長の為にバラしてあげる。森下にでも入れとこ」

相川「あ、あの……っ、私も役職持ちです! 後からだと怪しくみえるかもだけど……信じてくださいとしか言えない……対抗に入れます」

風間「皆、ありがとう。それと、森下くん。君の言いたいことは分かる。確かに僕はあまりはっきりさせるようなことは言えてなかったね。でも、ごめん。まだ決めかねているんだ。ただこれは勘のようなものなのだけど、今の投票に身内切りが入っている気がするんだ。投票は相川くんに。二人の意見を今は聞くしかない」

GM「あらまぁ同票が出ましたね。二人にはそれぞれ思いの丈を叫んでもらいましょう。二人以外は発言しないでください。投票は挙手で行います。さぁどちらからでもよろしいですか? 相川さんからいきましょうか」

相川「……私がさっきエクソシストがいなくなったらどうとか聞いたのは、なんとなくこうなる予感があったからです。このままじゃ活躍できないまま終わっちゃう……柏木さんは票が集まってからこれでいこうって決めたように見えます……」

柏木「こうなる前に言っておくべきだった……うーん。ただ今日は指定占いがあるから、生き残れる可能性が高いんだよね。警察にはそこを絶対守って欲しいから……。ここは今後の流れに絶対に必要な大事なところです。選択を間違えないでください」

GM「じゃあ皆さんは一斉に手を上げてくださいね。まずは相川さんを処刑対象に選ぶ人。いっせーのーですよー? せーのっ!」


投票結果

富永→相川

柿沼→相川

篠宮→相川

椎名→相川


柳瀬→柏木

森下→柏木

小谷→柏木

向井→柏木

風間→柏木


GM「と、いうことで柏木さんを処刑です。遺言あったらどうぞ」

え、嘘勝ったの? と隣で相川が手を握りしめていた。

柏木「……これはまずいかも。まぁ信用できる人が明日には現れるし、なんとか頑張ってください。エクソシストは私です。そのことも考えながら、議論してね」

GM「お疲れ様でした。なかなか白熱してきましたね。やさすぃジョーカーちゃんから飲み物をプレゼントします。休みながら頭を働かせてくださいね。おやすみなさーい」


二日目 夜

決選投票の二人が役職持ち、しかもエクソシスト。ということは、どちらかに教祖がいる可能性が高い。明日、相川は柏木を教祖だと言うだろう。一応選ばれたけど、確実に本物だと証明することはできない。

魔女とエクソシストを全員処刑すれば、教祖を一人は殺すことができる。ただ潜伏している他の二人の方が怖い。


《魔女》

一日目

椎名→篠宮(平民)

篠宮→小谷(平民)

二日目

椎名→森下(平民)

篠宮→向井(平民)


《投票》

富永→柏木

柳瀬→柏木

柿沼→相川

篠宮→富永

椎名→柏木

森下→風間

柏木→相川

小谷→相川

向井→森下

相川→柏木

風間→相川


《決選投票》

富永→相川

柿沼→相川

篠宮→相川

椎名→相川

柳瀬→柏木

森下→柏木

小谷→柏木

向井→柏木

風間→柏木


《処刑》

一日目 杉原

二日目 柏木


《死亡》

金城

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る