第21話
学級会で文化祭の出し物が決まらない。いつもは委員長が話を進めそのままチャイムの鐘が鳴り解散となるのだが、今日中に出し物のが決まらないことには学級会が終わらない。
いくつかの出し物の中から多数決ですむ話だがその一つを出す勇者が現れない。クラスメイトの目が担任に注がれるが、おまえらで決める物だという体を崩さない。
イライラムードがさらに発言する雰囲気を拒絶する。
「メイド喫茶でいいんでないかい」
と、勇者斉藤が発言する。しかし、この提案に女子側のエーーーという合唱で勇者がモブ以下のキャラにクラスチェンジする。
「それに賛成!」
僕がモブ田中君にザオリクをかける。
信じられないという女子の視線を一斉に受ける
「女装のメイド喫茶」
僕は不敵な笑みで呟く。
先ほどまでの静寂と替わって男どもの怒号と女子の賛成がクラスを揺らす。
この組は女子の人数が多い。こうして女装メイド喫茶がクラスの出し物になる事は決定した。
放課後に入り男子の数人から誠ちゃん酷いよ~と避難された。
「あなたたちに初めてのモテキを授けよう!」
僕は高らかに笑ってやった。
文化祭の準備は女子主導でノリノリの衣装造りが始まった。特に女装の似合いそうな田淵君の服には数倍のお金が注がれている。
* * *
文化祭当日かわいいメイドが生まれる。身長が180センチを超える今永君が、驚くほど化粧映えし女子の度肝を抜く。もちろん田淵君の可愛さも予想通りだった。
しかし計算通りの計画に一つ誤算があった。
男子のおめかし中に僕も何故か呼ばれた。
髪をジェルで塗り固めたオールバックの僕が椅子に座らされている。
「クラスの支配人ね!」
グヌヌはめられた! 男装の支配人が爆誕した。
誠可愛い~~~~~~~~~~~~~~女子の玩具になった。
どうしてこうなった。
この日女装したメイド達は人生で一番写メを求められ、最初のモテキを味あう。
もちろんこのメイド喫茶は女子学生の語りぐさになり、男性メイド喫茶は湘南高校の伝統として残ることになる。
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