第10話

 日曜日、朝から誠に呼び出しをかけられる。普通なら練習している頃だが部活はテスト休み。久しぶりに南西口の相鉄口交番前まで足を運ぶ。


「くるのが遅いぞ~~」


 誠に言われて満更でもない俺。学制服とユニホーム姿しか見ない彼女の私服はまぶしかった。誠って顔面偏差値高いんだよなと思いつつ呼ばれて迷惑なんですという顔を作った。思春期の抵抗である。


「 猛ーーッこのプロテクター似合う?」


 スポーツショップでなければリアジュウ高校生爆発せよに映るが、女性に防具を見せられてもそれでいいんじゃねみたいな……


「キャッチャーの防具って色々あって驚いたよ!」


 無難な返しをする。


「もー君には青が似合うよとか、女の子にかける言葉があるでしょ!」


 彼女はムスッとした顔で口を尖らせた。


「ねーよッ!」


 俺のつっこみは切れが良かった。女性の服選びは長くて大変だと高校二年で体験できたことだけが収穫だった。


 彼女は赤に白が入った プロテクターを半日かけて選んだ。


 ちなみに帰りにサイゼリアでご飯を食べたが野球の話ししかしなかった。これでは部活帰りと変わらないよね……。


「ピンクの防具ってどうしてないのと」


 言ったようなことを覚えている。ちなみに今日のお礼などというイベントは無かった。ただ次の日に四軍メンバーからこづかれた。どこでみられたのやら。


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