第6話

「まった?」


 マクドナルドに呼んだ僕のほうが遅れた。いや遅れたと言うより彼が約束の時間よりずいぶん早かったのだが……。


 お互いに一番安いハンバーガーをお盆一杯に乗せて奥のテーブル席に移動する。


「ここでしか話せないことがあるの」


 僕は少し下を向きながら目線上のお願いコーセンを出す。彼はまだ飲み物を飲んでいないのにゴクリと音を出す


「僕と一緒に―――――――プロ野球を目指さない!」


 猛の目が点になった!


「誠ちゃん、そこは好きになったから付き合ってくださいじゃないの!」


 彼はプルプルふるえて怒った。


「初めてあったその日に好きですなんてコクられるのは都市伝説です」


 きっぱりとい言い放つ。


「俺なんて湘南高校で最底辺だよ……それがレギュラー目指すのもあり得ないのにそれを通り越してプロなんて無理。いっちゃあ悪いが誠ちゃんも一軍にはレベルが足りていない気がする」


僕は彼のレベルが足りないと言う言葉にかなり傷ついたが、これなら二人でやれると確信した。


「君は世界一の投手になれるよ!」


 彼は二度目の目が点になった。







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