20××年 夏 -エピローグ-

この後狗山とその父親がどうなったかなど、ぐだぐだと語るのもどうかと思うので割愛したいところだ。

かと言って、何も語らないというのも、読み手の心をもやもやさせるだけだ。

簡単に説明するが、おおよそは察しがつくだろう。

展示会最終日は、もちろん中止。

偽物の偽物が怪盗フェイクによって大勢の警官や狗山町長の目の前で奪われたからだ。

俺たちではなく、囮となった猫が盗んだということになるのだろうが……一体どうやったんだ?

展示会に展示されていたものが、偽物ということは一切触れられなかった。

狗山町長も元に戻ったそうだが……何だか、その辺りは有耶無耶にされたような気がする。

大人の事情というやつだろうか。

何だか腑に落ちない。

一方、ゲテモノをつかまされた猫はしばらく塞ぎこんだ。

ちょっと拗ねているだけらしい。

狗山町長に妖精の髪飾りなんてものを与えた犯人を割り出せと、うるさい。

その件に関してはすでに狗山に聴取済みだったのだが、父親に確認してもそのときの記憶が曖昧だと言うそうだ。

それもおかしな話である。

凜王も調べる必要性はあるとぼやいていたくらいだ。

厄介なことにならなければいいのだが……


兎にも角にも、今回の仕事はこれにて終わりだ。

次の獲物が見つかるまでは、いつも通りの高校生活を送る。

如月凜王という、不思議な友人と共に。


【To be continue.....】

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