CC:失っていくしかないこの世界で

三上集

プロローグ

 「はーい。みんな注目ありがとう!それじゃ、ここ、革命軍特殊捜査部隊に新しい仲間として加入するメンバーを紹介するね。まず1人目がそこにいる……紅髪の男、ナキだ!」


 『革命軍特殊捜査部隊・総隊長』のロカが青年ナキの方へ向かって大きく手を広げた。


 ナキは拳を強く握りしめ、視線を少し落とすと、どこか暗い表情で口を開く。


「オレは殺された家族、さらわれた家族のことを知るためにここへきたんだ……。」


(そして、あいつを見つけ出すために)


 ぼんやりとナキの脳裏に浮かぶ、ある人物。


「だから……オレはここで力をつけて、また必ず天帝国へ行く!」


『革命軍特殊捜査部2番隊・副隊長』のロアは柱に寄りかかり、自身の髪と同じ色のしたアップルグリーンに輝く、大きく透き通った瞳でナキの顔を見ていた。


 視線に気づくようにナキはロアを見る。

 

 が、ロアはすぐさまプイッと視線を逸らした。


(何が家族よ……)


******************************


 革命軍特殊捜査部・拠点。

 ロアの寝室。


 ベッドの上に寝転がるロアは黒いナイトブラとショートパンツを着用し、天井を見つめていた。


「もう、あいつなんなのよ」


******************************

 思い浮かぶ、どこか悲痛に満ちたナキの顔。

******************************


「強くもないのに、口ばっかり……」


 そう言葉を吐くと、ロアはゆっくりとまぶたを閉じた。

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