第17話「捕まった」
学校が終わり。
教室内では僕達の騒ぎが噂になっていた。
まぁ、名前まではわからずバレていないみたいだけど、男子と女子がすごい熱く語り合ってたと学食にいた人達から噂が流れてきたらしい。
クラスメイトもいたはずだけど、忘れられてるのかな?
「相澤君、学食にすごい語り合ってた男女のペアがいたらしいけど凄かった?」
「え?あぁ、凄かったよ」
「何を語り合ってたのか聞こえた?」
「えっと、よく聞き取れなかった」
「そっかー、何かに対して熱くなれるっていいなー、私は趣味も少ないし、そんなに熱中もできないから羨ましい」
「そうなんですね」
「私も何か見つけようかなーー熱中出来そうなもの」
「いいんじゃないですか?色んなものがありますし」
「相澤君は何かある?熱中してるもの」
「・・・今は特にないですね」
「じゃあ一緒に探そうよ、熱中できること!」
「まぁ、いいですよ」
こうして熱中できることを探す約束までした。
麻那辺さんはそのまま友達と遊ぶからと教室を出ていった。
僕もそれに続き教室を出る。
「相澤ーー!」
「いたっ!・・・なんですか」
長嶺さんに見つかってしまった。
「このあと用はあるんか?」
「いえ、ないですけど」
「なら付き合えや」
「えぇ・・・どこにですか?」
「買い物や」
「また、ですか・・・」
「またとはなんや、何回も誘ってないやろ」
僕達が今話してるのは教室前の廊下だ。もちろんまだ人がいる。
みんな、顎が外れそうだし目が飛び出しそうだ。そりゃそうだ、僕に誘いをかけるなんて普通はないからビックリするはずだ。
「いえ、土曜日見たばっかりなのにまた見に行くんですか?」
「せやな、あの時は買わんかったものもあるんや、予算的なあれでな、てなわけで今日は買うわけや」
「僕の行く意味はなんですか?」
「ウチとの放課後デート!」
「・・・遠慮しときます」
長嶺さんは気づいてないのか?それとも気づいてて気にしてないのか?長嶺さんのデートという単語だけで周りからすごい歓声が上がったけど。僕はこんな空気慣れてない。すごく居ずらい。
「相澤、ウチこの前言ったやろ、ウチのこと知ってもらうて」
「分かりました、行きましょう」
早めにこの場から脱出しないと僕が羞恥心で限界迎えるところだ。
僕は急いでその場から逃げた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます