第9話「後輩の襲来」

 まさか2年にあがって初日にあんなに色んな出来事があるなんて思いもしなかったな。次の日も麻那辺さんと登校とかいうイベントまでやっちゃうし、ココ最近はいろんなことが起きてる。


 何故そんなことを思ってるかと言うと、また別のことが起きてるからだ。

 麻那辺さんと登校した次の日の昼休み、僕の席の前には1年の佐宮美月が来ていたからだ。

 まさか僕のところに下級生が来るなんて以外だったのか教室の中が騒然としている。隣にいた麻那辺さんも驚いて口がパクパクしていた。


「先輩やっと見つけましたよ、学年しか聞いてなかったので探すのが大変でした」

「いや、まさか本当に来るなんて思いもしなかったし、ごめんなさい」

「大丈夫ですよ、一昨日約束しましたから」

「あ、持ってきてくれたの?」

「もちろんですよ、はいこれ、私は3組なので読み終わったら来てください」

「あ、うん、わかったよ、ありがとう」

「いえ、失礼します」


 そんなやり取りをして佐宮さんは帰ってった。

 で、その後僕が質問攻めにあったのは言うまでもない。


「なんだ今の女子は、結構可愛かったぞ」

「相澤に何か渡してたけど、どういう関係だ?」

「嘘だろ!?相澤ココ最近どうしたんだ?特殊能力か?魅了のスキルでも身につけてるのか?」

「なんだそれ、でもたしかに1年の時の相澤とは思えないな、女子と話すことなんてほぼなかったのに」

「そうだぞ、たまに相澤の姉ちゃんが来てたくらいで女子と縁なんてなかったじゃないか」


 すごい色々言われてるよ、たしかに1年の時は姉さんしか来なかったけど酷い言われようだ。


「ねぇ、相澤君・・・今の女子は誰?」


 なんか横から冷たい声が聞こえる。そちらを見れば超笑顔の麻那辺さんがいた、笑顔なのに声が冷たいやばい


「後輩ですよ、この前本屋で知り合って、本を貸してもらったんですよ」

「そうだったんだ、なるほどね、なんて本?」

「物語シリーズの新作です」

「わからないや」

「まぁ、しょうがないですね」

「相澤君は読書するんだね」

「そうですね、読書は好きですよ」

「ふーん、面白そうな本教えて欲しいな」

「どんなジャンルですか?」

「恋愛系!」

「すいません、あんまり読まないジャンルでわからないです」

「そっか~残念」

「すいません」


 さっきまでの冷たい声は消えたけど、なんだったんだ?まぁ、今は元に戻ってるからあんまり気にしなくてもいいか。

 そんなこんなで昼休みが過ぎていった。



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