いつも学校の壁を殴っている男子は最強の技を身に付ける

@haidoroponnpu

第1話 小学一年生の出来事



この世の中には光がない・・・




この世のすべてが面倒だ。意味がない。どうでもいい。

ああ、今日も体が重いし、眩暈がするし、何より眠い。



多くのひとは無意味に生きて無価値に死んでいくだけ

価値のある存在になれるのはほんの一握りなんだ。

どうしようもない社会



小学一年生の時、

そんな内容のことをある人物に話した。

その人はこう言った。




「子供のくせにそんなこというもんじゃない」





「そうだな・・いいものをみせてやろう」



孝一は反射的に構えた。

「いやいや、何もしないって、変質者じゃないから」



このコンクリートの壁を見てろよ・・・

ほらほら危ないからちょっと離れて・・・




ズン!





その人の姿勢が一瞬で低くなったと思った次の瞬間

コンクリートの壁に大きな穴が開いた。

瓦礫はくずれるというか砂のように溶けてしまったように見えた。




拳で壁を壊した?




「どうだ、すごいだろ・・・あれ?」

その場に子供の姿はなく



孝一は家に帰って震えていたのだった。



翌日

「あなたは、すごいひとだったんだね」

「特に すごくも なんとも ないんだがな、ちょっと壁を はたいた だけだ」




幼い日の記憶・・・その人が男か女かさえ覚えていない・・・





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