第三章 春季下越地区大会 一 新しい部員
利き腕である左肩の打撲なので気にはなる。アザもまだ引かない。しかし痛みはもうない。これなら、行ける。
「矢島」
洋はドキッとした。先生の声だ。
「はい」
「逸る気持ちは分かるが、無理はするな。こう言う時こそ、イメージトレーニングを大切にしろ」
「はい」
「それより、もう全員集まっているか?」
「いえ、まだです」
「そうか」
と言うと、藤本はその場に立ったまま、腕組みをした」
やがてメンバー全員が揃い、各々ストレッチを始めた頃、
「先生」
と、藤本を呼ぶ声が出入口の外から聞こえた。藤本は振り向くと、
「そこで待ってろ」
と言って、
「全員集合」
と、メンバーを呼んだ。
藤本を囲うように、メンバーが集まった。
隣のコートでは、女子バスケット部がランニングを終えて、フットワークの練習を始めたところだ。
その光景を挟んで、夏帆が洋達を見ている。
「突然だが、今日から新しい仲間が加わったので皆に紹介する」
「えっ?」
さすがに藤本のこの発言には、メンバーの誰もが驚きの声を上げた。
洋は、鷹取が何か知っているのでないかと言う感じで彼を見上げた。
鷹取は首を横に振った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます