第二章 新しいユニフォーム 十 ワンポイントの意味

 藤本がそう言い終えた時、全員が洋を見た。


「バスケットは空中戦だけではない。コートを支配する者が勝利を収める。お前は、この俺に、いやこのチームに驚きと戒めをもたらし、コートを制する大切さを再認識させた。


 この新しいユニフォームのデザインは全員で決めた。脇のデザインとパンツのワンポイントはカベの提案だ。矢島、これがどういう意味か、分かるか?」


「……絵文字の雷マークに似てるなあと……」


「その通りだ。稲妻。まさに稲妻の如く、コートを駆け抜け、敵を蹴散らす。そう言う思いを込めて付けたワンポイントマークだ。新しいユニフォームを着た今日の練習試合は、新生山並バスケット部の初陣(ういじん)に相応(ふさわ)しい内容だった。今年こそ、全国制覇を成し遂げるぞ」


「はい」


 一同返事をすると、今日は藤本も円陣に参加、これにて本日の練習を締めくくった。

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