　洋がドリブルを始めた……

　と思いきや、洋はハーフライン手前から一気にリングへと向かった。

　日下部もダッシュ。

　早田がブロックに向かおうとした。しかし、山添に阻(はば)まれ思うように動けない。

　滝瀬が洋のブロックに向かった。

　洋、止まってジャンプシュートを打つのか？

　結果は？

　洋はそのまま滝瀬の伸ばした腕の下を搔い潜り、ふわっと浮かしたボールは、一度リングに当たってからネットを揺らした。

　洋が選択したのは、ワンステップレイアップだった。

　第四クォーターでは24秒ギリギリまでパス回しした後に、アウトサイドからのシュートに徹していた。洋のドリブルインはやはり意表を衝いたものだった。

　しかし、これで青チームの攻撃が第四クォーターとは違ったものになることを白チームは理解した。ラストクォーターは、またも第二クォーターのような攻撃で来るのか？

　奥原がドリブルしながら、センターラインに近づいていく。

　笛吹は一定の距離を保ちながらバックステップ。

　奥原がセンターラインを越えた……

　その瞬間、奥原は右サイドに走り、日下部にパス。奥原はそのままスクリーンを使って洋をブロック。笛吹が日下部のマークについた。

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