第二章 新しいユニフォーム 六 エースの風格
「こっちもディフェンスはこれで行くぞ」
笛吹が叫んだ。
青チーム一同は表情を変えることなく、そのまま攻撃続行。
洋は右手でドリブルしながら、日下部を見つつ、まずは笛吹を、そして目を見た……
と、その瞬間だった。
洋は右手のみで目にパスを押し出した。
パスが目に通った。
加賀美がマーク。
目はすかさずドリブル、0度に向かい、インサイドに切り込もうとした。
加賀美が体を入れてディフェンス。
ドリブルコースが早くも塞(ふさ)がれた……
と思った矢先……
目がステップバック、そのままジャンプシュート。目の足はスリーポイントラインの外に出ていた。
目のドリブルに対応しようとした加賀美は重心がリング側にある左足に移動していたため、目のシュートカットに間に合わなかった。
「ザッ」
目のスリーポイントが見事に決まった。
青チームはすぐ自陣に戻った。
笛吹に言われたとおり、青チームもマークを切り替えた。どうやら意思統一は出来ているようだ。
ただ、洋は日下部だけでなくPGの奥原の動向にも注意を払った。
日下部は右に左にと動いて、パスをもらおうとした。しかし、洋も執拗(しつよう)に食いついて、奥原は日下部になかなかパスが出せない。
奥原は早田にパスをした。
1ON1なら、山添よりもフットワークとドリブルに長(た)けている早田に分がある。
早田は左四十五度の位置からドライブイン。
山添が抜かれそうになった。菅谷がカバーに入った。滝瀬がフリーになった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます