11 額、色塗って

 年末の展示の搬入は19日。

 だが作品はまだ完成していない。なんてこった。


 さて表題の件だが、読んで字の如しである。いつもより一回り大きな絵を描いたのだが、そのサイズで黒い額縁というのが100円ショップになかった。仕方がないので木目調の額縁を1個300円で買ってきて、アクリル絵の具でべたべた塗った。なんでそんな手間をかけたのかというと、モノクロ作品限定の展示会で、額縁や物販まで色のあるものは許されぬという厳格な決まりごとがあるからなのだ。


 吾輩は立体の色塗りがとにかく下手である。

 図工の時間にそういうのがあると、絵の具を載せすぎたり、水気が多すぎたりして、下に敷いた新聞紙に作品がくっつき離れなくなるのがお約束だ。力ずくで引きはがした結果小汚くなってより濃い色で塗る羽目になる。それを繰り返す。苦い思い出だ。

 その轍を踏むまいと大きなビニール袋をしいて塗ったが、床もどろどろになった。

 引っ越すんだぞ。

 どうやって落とすんだ、これ。


 この額縁も作品ごと個展に使いまわすので、計上しておこう。300円の額縁が3個。塗るのに買ったアクリル絵の具の大きいチューブが400円くらい。税込みで約1400円というところか。

 総額はどんぶり勘定にして、1万4000円としておこう。ほかにもちょこちょこっと買い物したので、これでちょうどいいはず。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る