フェンリス狼少年記
聖華
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今日はみんなでかくれんぼをしてあそびました。
ぼくはオニにはならなかったけれど、すぐに見つかってしまいました。ぼくはまだ木にのぼったりできないし、くらいところで一人でいるのもコワいので、かくれんぼは苦手です。
二回目のとき、アリアが「じゃあ、いっしょにかくれてあげる」といってくれたので、二回目はくらいところにかくれられました。今は使われてない、ウマ小屋です。ウマといっしょに村の外に行った大人の人たちが帰ってこないので、ウマはいません。ウマがいる小屋もあるけれど、こっちは使われてない方。ドアをしっかり閉めて、奥のほうに二人でかくれました。
うまくいくと思ったのに、すぐに見つかってしまいました。ここはかくれやすい場所だから、って言われました。ぼくにとっては、とっても勇気がいる場所なのになぁ。
アリアといっしょにかくれていたのを知ったジャン(ぼくは、ジャンがあまり好きではありません。力がつよくて、いつもえばってるからです)が、ぼくのことを「おくびょう」とからかいました。ぼくは、ちがうと言いたかったけど、けどほんとうのことだから言えませんでした。でも、そんなぼくのかわりにアリアが「わたしがこわかったから、ルーフにいっしょにいてもらったの」と言ってくれたので、ジャンはそれ以上なにも言えなくなっていました。
ぼくは、かくれんぼの後にアリアにこっそり「ありがとう」と言いました。アリアは「だれだって、こわいものがあるもの」と言いました。アリアは、近所のクリスがこわいみたいです。子犬ならいいけど、大きいとダメなんだって。「そんなのこわくないよ」とぼくが言うと、「わたしはくらいのはこわくないよ」と言われてしまいました。
アリアは大人だなぁ、とおもいました。
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