第7話 ヘルプ

そんな美生の顔を見て、佳は美生があまりツーリングに気が乗らないのかな?と思った。


美生の気持ちを察した有希が、北海道ツーリングには色々準備、手配が必要になる。それを美生にお願いできないか? その手間賃と言ってはなんだが、レンタカーの費用は他の3人で負担する。なるべく美生のプライドを傷付けないように、有希は言った。


陽も佳もうなずいている。


美生は、同級生にそこまで甘えてもいいのだろうか? と思った。だが、そうでもしないとツーリングの費用を捻出できそうもなかった。自分が行かないと言えば、ツーリングの計画自体が立ち消えになるだろう。美生は悩んだが、割り切って甘えることにした。その分、働けばいいのだ。


北海道までの経路だが、茨城県の大洗港からフェリーに乗るのが、一般的である。だが、有希が船酔いすると言うので、青森まで車で行くことになった。運転手はいっぱいいるから交代で運転すれば良い。


ツーリングの手配はけっこう大変だった。北海道のルートの設定や宿やフェリーの予約の他、バイク屋の店主に、必要な工具や持って行った方がいい部品などを聞く。意外なことに、それらの多くは祖父のガレージにあった。美生が物心ついた頃には、もう祖父が泊りがけで出かけることはなかったが、それまではけっこうロングツーリングをしていたらしい。


夏休みに入った。美生はアルバイトをして、ツーリングの費用を稼いだ。念のためヴェスパとランブレッタはバイク屋に点検整備をしてもらう。そしてお盆すぎに、美生たち4人とヴェスパとランブレッタを積んだハイエースは北海道に向けて出発した。

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