第10話「これで最後!? ベルフェゴーラ必勝の大作戦!」

〈前回のあらすじ〉

 米原よねはらひかるです。ついに私たちを倒すことに決めたアスモデウサとベルフェゴーラに、敗北の一歩手前……というか、ほとんど敗北してました。でも、この街を、皆を、仲間を守りたい。その気持ちで私たちは復活して、悪魔たちを退けることに成功しました。まあ、本当に倒せたのかどうかは、まだはっきりとわからないんですけど……



〈本編〉

「アスモデウサ……」

 街はずれにある洋館の一室。そこに設けられたベッドの上で膝を抱え、ベルフェゴーラは体を震わせていた。


「フンッ!」

 「ソルア・シャイニングストリーム」の光が迫る中、わずかに緩んだ「ルア・ムーンライトバインド」の鎖を一気に粉砕し、アスモデウサはその拘束から逃れた。

 そして、

「アスモデウサ!?」

「ぬぅ!」

 驚愕にベルフェゴーラが目を見開く中、アスモデウサは唸った。

 その背後に、刻一刻と光が迫る。

「逃げて!」

 ベルフェゴーラの叫びを無視し、1つ、また1つとアスモデウサは鎖を千切っていく。そして最後の一本を砕くと同時に、開扉魔術によって開いたゲートへベルフェゴーラの体を押し込んだ。

「アスモデウサ!」

「ベルフェゴーラ、お前は――」

 ベルフェゴーラが伸ばした手は空を掴む。

 閉じるゲートの向こうで、体が消滅していくアスモデウサは優しく笑みを浮かべていた。 

「アスモデウサァアアアアアアアア!!」

 いつもの洋館に、ベルフェゴーラの絶叫が響いた。


「アスモデウサ……」

 名前を呼んでも、答えは返ってこない。

 同じ時期に七大悪魔の名を継承し、幾度となく顔を合わせるうちに仲を深めた。その好色さに呆れながらも、何度体を重ね、熱く愛をささやき合ったことかわからない。


「アスモデウサ……」

 名前を呼んでも、答えは返ってこない。

 互いの領土を繋げてアスモデウサ=ベルフェゴーラ連結領を成立させた時から、ずっと一緒に歩むのだと信じて疑わなかった。互いを受け入れ、互いを愛する。それだけで十分なはずだった。「天魔大戦」に参戦しなかったのも、興味が無かった――面倒くさいという気持ちも半分くらいは占めていたが――からだ。


「アスモデウサ……」

 名前を呼んでも、答えは返ってこない。

 「天魔大戦」で魔界王たちが死することなく、サタニアが激怒することも無ければ、人間界に来ることは無かった。人間界が楽しくないとは言わない。アスモデウサと共にいたのだから。だがしかし邪魔者に出会い、そしてその邪魔者たちのせいでベルフェゴーラはアスモデウサを失った。


「……ミラクル☆エンジェルズ」

 憎しみを込めてその名を呟く。

 上手く行くと信じて疑わなかった。色欲と怠惰に溺れていようと、七大悪魔の一角を占める2人が直接相手をするのだ。赤子の手をひねるように難なく倒せるはずだったし、実際にほんの一歩手前まで行っていたのだ。

(どうして……)

 無意識の内に自分の爪を噛んでいた。

 再起不能なまでに追い込んだはずの魔法少女が、なぜ再び立ち上がれたのか。それも、より一層の力を増して。


『あたしたちには守りたいものがある。この街を、この街に生きている皆を、一緒に戦ってくれる仲間を守りたい。だから、何度だって立ち上がって戦う!』


 ミラクルルアが言い放った言葉。

(守りたいもの……)

 ベルフェゴーラの目に、妖しい炎が灯った。

「許さない、絶対に……」

 体の震えは、アスモデウサをうしなった哀しみだけでは無くなっていた。



「サタニア様!」

「どうした?」

 息せき切ってデモニアが執務室に入って来た時、サタニアは珍しいこともあるものだと呑気に思った。デモニアが慌てふためくことなど、滅多にないのだ。

「アスモデウサ様が……!」

 デモニアが差し出した紙に書かれた内容を見て、サタニアは初めて事の重大さに気付いた。すぐに、通信魔術を発動する。

「ベルフェゴーラ!」

 しかし、既にベルフェゴーラは洋館にはいなかった。



「見ていて、アスモデウサ……あの2人の命を貴方に捧げる」

 キッと目を開いたベルフェゴーラの視線の先、NR中津里駅に悪性魔力が集まる。

「ただ殺すだけなんて、そんな甘いことはしない。なぶり殺しにしてあげるわ」

 ベルフェゴーラの憎悪を取り込み、駅ビルが怪物に変わる。

「ステーショーン!!」



「全てを照らす光、ミラクルソル!」

「闇の中に輝く光、ミラクルルア!」

 互いに手を取って一回りし、最後に背中を合わせて指鉄砲を怪物に向ける。

『世界を照らす奇跡の光、魔法少女ミラクル☆エンジェルズ!』


 怪物を正面に見据えながらも、ソルとルアは辺りを警戒した。

「怪物が出たってことは……」

「あの2人がまだ生きているってことだよね……」

「来たわね」

 ソルとルアの背後から、ベルフェゴーラは静かに姿を現した。

「ベルフェゴーラ!」

「生きて――!」

「えぇ、生きてるわよ。貴方たちに復讐するためにね」

「復讐?」

 戸惑いを見せたソルに、ベルフェゴーラは怒りを露わにして叫んだ。

「そうよ! 貴方たちはアスモデウサを殺した! アタシの、大事な、大切な、アスモデウサを……だから、貴方たちにも死んでもらうわ! その命をアスモデウサに捧げなさい!」

「勝手なことを!」

 突進と共に繰り出されたルアの拳を、ベルフェゴーラは片手で受け止めた。ワンテンポ遅れたソルの蹴りをもう一方の腕で受け止め、ベルフェゴーラは不気味に笑った。

「アタシに抵抗していいのかしら?」

「どういう意味?」

 ソルの問いには答えず、ベルフェゴーラはルアに問うた。

「『守りたいものがある』。そうよね、ミラクルルア?」

「え? そうだけど……」

 ソルの脚とルアの拳を突き放しながら、ベルフェゴーラは顎で怪物を示した。

「貴方たちには聞こえないのかしら? 貴方たちの『守りたいもの』がどうなっているのか」

「だから、どういう――」

「ソル……!」

 なおも問おうとするソルの言葉を、振り返って怪物を見たルアが遮る。ルアの視線を追ったソルの目に、怪物の中で人々が苦しむ姿が映った。

 驚きに動きを止めたソルとルアの様子に満足しながら、ベルフェゴーラは告げた。

「あの魔獣ちゃんはいつもの魔獣ちゃんとは違う。建物そのものを魔獣ちゃんに変えた……もちろん、中にいたニンゲンもろともね。意味はわかるかしら?」

「まさか、人質……」

 絞り出すように声を出したソルに、ベルフェゴーラは満面の笑みで頷いた。

「その通り! 貴方たちがアタシに抵抗すれば、中にいるニンゲンはもっと苦しむ。下手をしたら、死ぬかもね」

「……卑怯者」

「卑怯?」

 非難の言葉を口にしたルアを、ベルフェゴーラは睨んだ。

「卑怯だろうが何だろうが、貴方たちを殺せるなら何だってするわ」

 そう言うや否や、ベルフェゴーラの拳がソルの腹部を襲う。

「かっ……!」

「ソル!」

 くの字に曲がったソルの体を抱えて放り投げたベルフェゴーラ。その背中にルアが殴り掛かった。

「中のニンゲンがどうなっても良いのかしら?」

「うっ……」

「良い子じゃない」

 楽し気に言いながら、ベルフェゴーラは動きを止めたルアを蹴り飛ばした。

「うあっ!」

 ショッピングモール「アイオン」の壁面に叩きつけられ、全身を襲う痛みにルアは顔を歪めた。

「まだ死なないでよ。貴方たちが死ぬのは、たっぷり苦しんでからだから」

「くっ……」

「うぅ……ぐぁっ!」

 呻きながら立ち上がりかけていたソルの脇腹に、ベルフェゴーラの蹴りが鋭く入った。勢いで仰向けになったソルの腹部を、ベルフェゴーラは思い切り踏みつける。

「う、ぐ……あ……ぁ」

「良いわ、もっともっと苦しみなさい」

 ベルフェゴーラは笑い声を上げながらぐりぐりと踏みつけ、最後にソルをボールのごとく蹴り上げて怪物へとぶつけた。

 怪物の体表にぶつかって落ちたソルの耳に、苦しむ人々の声が聞こえた。

『苦しい……』

『痛い……』

『何、この気持ち……』

(気持ち……?)

「悪性の魔力が怪物の中で渦巻いているミラ……皆、あまりにも性質が偏った魔力の環境に置かれて苦しんでいるミラ」

「それだけじゃない……」

 ソルはゆっくりと上体を起こした。

「きっと、ベルフェゴーラの感情も怪物の中で暴れてるんだ」

「感情……」

(仮にそうだとして、どうやって怪物の中から皆を助けるか……)

 ソルは怪物を見上げた。


 5年前の再開発に伴って駅ビルも大規模に建て替わっており、正面において幅約240メートル、高さ約60メートル規模のビルになっている。それをそのまま継承した怪物の巨体たるや、ソル1人でどうにかできると思えるものではない。それに、ビルの中のどこにどれだけの人がいるのかわからない。


(皆を逃がすような時間なんて、くれないよね……)

 思考を巡らすソルのポニーテールを、ベルフェゴーラが掴んで引っ張った。

「うっ……」

「まだまだ始まったばかりよ。もっと苦しんでちょうだい」

 耳元でささやいてからソルを突き放し、その背中にベルフェゴーラは回し蹴りをくらわせた。

「がぁっ……!」

 一度、二度、と地面で跳ね、倒れ伏すルアのそばで同じように倒れた。

「ソ……ル……」

 傷だらけのルアがわずかに顔を上げてソルに目をやった。

「大丈夫……?」

「何とか、ね……」

 ルアは気丈に答えて笑みさえも見せたが、じきに限界が来るのは目に見えていた。

(このままじゃ、何も守れない)

 ゆっくりとベルフェゴーラが近付いてくるのを見ながら、ソルは必死に思考を巡らす。しかし、こういう時に限って良い考えは浮かんでこない。

「まずは、皆を、助けないと……」

「そうだね……」

 ルアに同意して、ソルは手短に怪物の中の状況を伝えた。

「偏った環境……それなら、善性の魔力を加えれば良いのかな?」

「加えるって、技を使うつもりミラ? そんなことをしたら――」

「いや、待つんだぜ。技を使うんじゃなくて、自分の中にある魔力をそのまま一気に放出するようなことができれば……」

「でも、それってどうやってやるミラ?」

 ミーラの言葉を最後に、4人は沈黙した。

 ベルフェゴーラが余裕の表情を浮かべつつゆっくりと近付いてくるのを視界の隅で確認しながら、ソルは考えた。

(魔力の放出……放出?)


 かつて自動車型の怪物を倒した「ソル・プロミネンスバーン」。

『ニンゲンはその時の感情によって、発する魔力の性質が変わるみたいミラ』 

 かつてミーラが何気なくこぼした言葉。

(感情……気持ち)

『何、この気持ち……』

 怪物の中から聞こえた声。


 ソルは閃いた。閃いたと言うには、だいぶ大雑把なものだったが。


「ルア。ベルフェゴーラの注意を引き付けられる?」

「ほえ?」

 急に問われ、ルアは気の抜けた声を出した。

 ソルはもう一度問うた。

「私が怪物を何とかするから、その間ベルフェゴーラの注意を引き付けられる?」

「……無茶なこと考えてない?」

「最近は無茶ばっかりじゃない?」

「そうだっけ」

 ソルとルアは互いに視線を合わせ、そしてにっこりと笑い合った。

「よし、やりますか」

「守ろう。私たちで」

 ゆっくりと立ち上がり、ソルとルアは

「……へえ。『守りたいもの』とやらを捨てるつもりかしら」

「まさか。抵抗する素振りの1つでも見せないと、あなたにとって面白くなくなるだろうと思ってね」

「なるほど、アタシのために考えてくれたということね? 感謝するわ」

 形だけの笑みを顔に貼り付けて、ベルフェゴーラは答えたソルに殴り掛かった。

 左腕で拳を受け止めたソルの鳩尾に、ベルフェゴーラの左拳がアッパー気味に食い込み、その衝撃でソルの体は宙に舞う。

 ベルフェゴーラは即座に飛び上がって追い、ソルの背中にかかとを落として地面に叩きつけた。

「う、が……っ!」

「まだまだ!」

 苦しみにあえぐソルの体を怪物へと蹴り飛ばした後、ベルフェゴーラは翼を打って追いかける構えを見せた。

「でぇえい!!」

「チッ!」

 いざ駆け出そうというところに体をぶつけられ、ベルフェゴーラはルアを睨んだ。

「そんなにアタシに遊んでほしいのかしら?」

「そりゃあ、放置プレイされるなんてソルに嫉妬しちゃうよ」

「……なら、お望み通りにしてあげるわ」

 ルアにその拳は見えなかった。両腕をクロスさせて構えたのは、直感に近い予感からだった。そして拳が風を切る音が耳に届いた時には、ベルフェゴーラの右足はルアの脇腹を捉えていた。

「ぐっ……!」

 宙を舞うルアの意識の中で、時間がゆっくりと流れていく。

(これ……本当に無茶だなぁ……)

 体が地面に落ちる前にベルフェゴーラの追撃を受けながら、ルアは横目で怪物を見る。ちょうど、ソルが怪物の中へ入ろうとしているところが目に入った。


(頼んだよ、ソル……)


「……気持ち悪い」


 ルアが改めて決意を胸に抱く一方で、ソルは口に手を当ててうめいた。

 前にも味わった腹部にドロリと熱が溜まる感覚、そして怪物の中に吹き荒れる悪性魔力と――ベルフェゴーラの感情。

『苦しい……』

『つらい……』

『助けて……』

 「何とかする」。そう言って飛び込んだは良いものの、怪物をどうにかするどころか、周囲の人々のように自分も吹き荒れる嵐の中に飲み込まれてしまいそうだった。

「しっかりするミラ! 一緒に頑張るミラ!」

「う、うん……」

 ミーラに叱咤され、ソルは目的を果たすべく意識を集中させた。

(溢れる魔力と感情……きっと、難しく考えなくて良いはず)

 屈むソルの体を、ほのかな光が包んでいく。


「ソル・ウォーミングウェーブ」


 ソルの体を包んでいた光が拡散し、嵐の中に取り込まれて広がる。初めは微かだったがすぐに量を増していき、やがて怪物全体を包んだ。

「ス、ステーション……」

「何ッ!?」

「ソル……!」

(皆を、守りたい――)

 ソルから溢れる魔力と想い。

 それは嵐を打ち消し、怪物を元の駅ビルへと戻した。

「な――」

 散々になぶられてフラフラになりながらも、ルアはベルフェゴーラが絶句したタイミングを逃さなかった。

「ルア・ムーンライトストリーム!」

「チィッ!」

 至近距離から放たれた一撃。しかしベルフェゴーラは本能的に防御魔術を発動して耐えた。

「うぁあああああああああああああ!!」

「……今日はこれくらいにしてあげるわ!」

 絶叫して力を込めるルアに捨て台詞を吐き、ベルフェゴーラは撤退を図る。しかし、突如として地面から吹き出した炎がその動きを封じた。

「ソル・プロミネンスバインド」

 駅ビルの中で荒く息をつきながら、ソルはわずかに残った力を振り絞っていた。

 防御魔術が消え、ベルフェゴーラの体を光の奔流が襲う。

「そんな……この、アタシが……」

 体が消滅していく現実を受け止められず、ベルフェゴーラは呟く。

(アスモデウサ……!)

 消滅する瞬間。ベルフェゴーラの脳裏に浮かんだのは、アスモデウサの微かに笑った顔だった。



「倒した、のかな……」

「きっとそうミラ」

 「ルア・ムーンライトストリーム」の光が消えるのを、ソルは呆けながら見ていた。怪物の中で吹き荒れる悪性魔力と感情から人々を救う、それだけにとどまらずベルフェゴーラの拘束まで行ったことで、ソルの体はもう限界だった。

「お姉ちゃん、大丈夫?」

「え? う、うん」

 気付けば、ソルは6歳ぐらいの女の子にじっと見つめられていた。その女の子はほっとしたような表情を浮かべて、ソルにお茶のペットボトルを差し出した。

「……くれるの? 私に?」

「うん。助けてもらったし、疲れてそうだから」

「ありがとう。でも、気持ちだけもらっておくね」

 女の子に対して微笑みながら、ソルはゆっくりと立ち上がった。そこにちょうどルアが現れた。

「大丈夫、ソル!? ……あれ、この間の女の子?」

「! そう言えば! 何か見覚えあるなと思ったら、あなたはこの間助けてくれた――」

 ソルの隣に立っていた女の子を見たルアの言葉に、ソルは驚いて振り返った。ソルとルアの2人に見つめられ、女の子は照れくさそうにしながら首を激しく横に振った。

「助けてないよ、助けてもらったの」

「あやめ!」

 母親らしき女性が女の子に駆け寄ってぎゅっと抱きしめた。そしてソルとルアに目を向け、困惑した様子ながらも頭を下げた。

「助けてくれてありがとうございます。あの、あなたたちは……?」

 問われ、また周囲の人々も答えを期待していることを察して、ソルとルアは何だか気恥ずかしくなった。互いに顔を見合わせた結果、ソルが答える。


「ただの……魔法少女です」


 その言葉だけを残して、ソルとルアは去った。



 一瞬だけ魔力の流れが乱れたのを、サタニアは翼で感じた。

(……気のせいだと良いが)

 「翼の知らせ」。瞬間的な魔力の乱れを、悪魔は不吉な出来事の予兆としてそう呼んでいる。頭を軽く振って、サタニアは嫌な予感を意識から追い出そうとした。

「サタニア様!」

 再びデモニアが慌てながら執務室に入って来た時、サタニアはつい先ほど感じた「翼の知らせ」が気のせいでは無かったことを悟った。

「ベルフェゴーラ様が……!」

 デモニアが差し出した紙を念のために確認したサタニアは、そこに記された名前を見て静かに息を吐いた。

(死ぬな、と言っただろうが……)

 サタニアの手に力が入り、紙がクシャッとなる。

「デモニア。お前はニンゲン界の拠点に行き、アスモデウサとベルフェゴーラが死んだ状況を確認するとともに、ヤツらが遺したモノを整理しろ。特に『魔法少女』のことは最優先だ」

「わ、わかりました!」

 一礼して去って行くデモニア。

 暗澹たる気持ちになったサタニアの心に、憤怒の炎が燃え始めた。

(魔法少女……絶対に許さんぞ)


 突如として、魔界に雷鳴が轟いた。



〈次回予告〉

 神谷杏子です。メリークリスマス! 街はクリスマス一色、今年もおいしいケーキを……あれ? 「サンタ」さんじゃなくて「サタニア」さんが来たんだけど……

 次回、『魔法少女ミラクル☆エンジェルズ』第11話。

 「絶体絶命のピンチ!? 降臨、大悪魔サタニア!」

 あたしたちが、奇跡を起こします!

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