フツウノヒト

ミルクティ

第1話

「普通」とは何なのだろうか。

僕は目立ちたくはないが少なくとも「普通の人」にはなりたくない。

全く同じ人間はいないのだから、広い目で見て全てが全て普通の人などいないのだ。

それなのに目立った人が人と違ったところを持つ人の悪口を言うとその瞬間多くの人がその人を叩き始める。そんなことは機械でもできる。人間らしさがない。と僕は感じる。


僕はその中には紛れたくない。

人と違うことを恐れ、人と違うことを蔑み、自分と相手が違うことを理解できない人にはなりたくないのだ。


ただこれを口に出すと僕は標的にされてしまう。

みんなで群がって悪口を言っているのを見ているのは胸糞が悪いがそれを助けるほどお人好しではないし、優しい人間ではない。

先程も言った通り目立ちたくはないのだ。


だからであろう。僕には友達と呼べる人が少ない。というか一人しかいないのだ。


それがこの僕の目の前にいる「羽月鰔」である。

こいつも僕と同じ考えを持っているため2人でよく教室の隅っこであまり目立たないように過ごしているのだ。



ふと、自分とは関わるはずがない金髪の男達が近づいてくる。

よくある事だ。

「おいおい、金山紹介してくれよぉー。頼むよ、な?」

肩を組みなれなれしく話しかけてくる。

できるだけ相手の怒りに触れないギリギリの嫌そうな顔をして

「いやぁ、彼氏いると思うけど。」

と言ってその場をしのぐ。

こんなやつとは関わりたくないと思われるのが一番いいことだと思っている。

どうせ裏では悪口を言われるものである。

そしてまた会話が始まる。




ピーンポーンパーンポーン


「1年5組 齋藤武樹くん。職員室に来てください。」

なにかしてしまったか、少し不安を胸に抱き職員室へ向かう。




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