「家キャンプやってみる?(二)」
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※【はあとフルデイズ♥】は三人娘の四コマ漫画風おまけストーリーです。
※今回は、「コロナウィルスに負けるな! Stay at Home特別編」です。そのため、設定と異なる部分があります。
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――とまり@心はキャンプ:パンパカパーン! 美少女3人によるキャンプ飯大会!!
――AKIRA@自宅:その面の皮 たまにうらやましいぜ
――ハルハル@芙蓉不朽:まあー、まちがってはいないわよねー
――とまり@心はキャンプ:ほむ。正しい。というわけで、今日のメニューは【闇ホットサンド】!
――AKIRA@自宅:とまりんの発想はホントーにぶっとんでんな!
――ハルハル@芙蓉不朽:そのぐらいではないとー、小説家はつとまらないのよねー
――とまり@心はキャンプ:ほむ。さすがはるはる、わかっている。
――とまり@心はキャンプ:さて、ルールを改めて説明しましょう。
――とまり@心はキャンプ:本来はキャンプ場で、全員で持ち寄った中身を適当にあわせてホットサンドを作り、それを食べなくてはいけないという、血も涙もないリアルバトルです。
――AKIRA@自宅:なんでそんなに デッド・オア・アライブなんだよ!
――とまり@心はキャンプ:ですが、今回は家キャンプバージョンということで、ルールを少しぬるくして自分で闇ホットサンドを作ります。
――とまり@心はキャンプ:まず自宅にある食材を6つ選び、1~6まで数字を振ってリスト化します。
――とまり@心はキャンプ:そしてサイコロを2回振って、でた目の数字の食材を2つ使ってホットサンドを作ります。
――とまり@心はキャンプ:同じ数が出てしまった場合は、サイコロをもう一度振ります。
――とまり@心はキャンプ:ちなみに、食材は味がわかる分量を使用しなくてはならない。
――とまり@心はキャンプ:追加食材、調味料の使用は可能。具材の調理もありです!
――AKIRA@自宅:確かに急にぬるいな まちがいない組み合わせとかいれときゃいいんだし
――ハルハル@芙蓉不朽:でもー、それだけではつまらないから、ちゃんとおもしろいのもいれましょうー
――ハルハル@芙蓉不朽:たとえばー、必ず汁物をいれるとかー
――AKIRA@自宅:おまっwww わりとチャレンジャーだよなwww
△▲▽▼△▲▽▼△▲▽▼
――とまり@心はキャンプ:ほむ。こんな感じにしてみました。
●とまり
1)ポテチ
2)マシュマロ
3)みたらし団子
4)いちご大福
5)ジャガイモ
6)チョコレート
――ハルハル@芙蓉不朽:ジャンキーねー
――AKIRA@自宅:マシュマロとチョコレートはアタリだろうけど いちご大福とジャガイモは地獄だな
――とまり@心はキャンプ:ほむ。やはり、デッド・オア・アライブ!
――AKIRA@自宅:じゃあ オレね
●AKIRA
1)コンビーフ
2)おでん
3)もち
4)梅干し
5)キムチ
6)チーズ
――とまり@心はキャンプ:ほむ。おでんは当然、汁有りだな?
――AKIRA@自宅:いや それはかんべん! とりあえずはんぺんとたまご予定
――ハルハル@芙蓉不朽:もちとチーズならアタリって感じねー
――AKIRA@自宅:コンビーフとチーズでもアタリだろうな
――ハルハル@芙蓉不朽:最後はわたくしねー
●ハルハル
1)大トロの刺身
2)A5和牛
3)高級メロン
4)キャビア
5)フォワグラ
6)生ハム
――とまり@心はキャンプ:……ディスタァァァー――ンス!!
――AKIRA@自宅:わざわざ牛肉と書かず A5和牛と書くのか こんちくしょう!
――AKIRA@自宅:高級メロンの高級もいらねーよな!!
――ハルハル@芙蓉不朽:わたくしのハズレは高級メロンってことかしらねー
――とまり@心はキャンプ:ほむ。高級メロンがハズレだという事実にモヤモヤとした感情がわきあがった。
△▲▽▼△▲▽▼△▲▽▼
――とまり@心はキャンプ:というわけで、ダイスを振った結果は以下のようになりました!
●とまり
1)ポテチ
5)ジャガイモ
●AKIRA
4)梅干し
5)キムチ
●ハルハル
3)高級メロン
6)生ハム
――AKIRA@自宅:とまりん それ両方ともイモじゃねーか!
――とまり@心はキャンプ:ほむ。
――AKIRA@自宅:どうしてとまりは よくオヤジくさくなるんだよ!
――とまり@心はキャンプ:ほむ。それでは調理開始。
――とまり@心はキャンプ:一時間後にWeb会議で接続するよ!
△▲▽▼△▲▽▼△▲▽▼
――とまり@心はキャンプ:というわけで、一時間経ちました!
――AKIRA@自宅:三分間クッキングのようなノリだな
――ハルハル@芙蓉不朽:ああ。久々にとまとまの顔が見られて幸せー。ついでに、晶もー
――AKIRA@自宅:オレはついでかよ! 正直だな!
――とまり@心はキャンプ:ほむ。それではまず、わたしからだな。
泊は、カメラをオンにする。
すると、そこには食卓が見える。
テーブルの上には、白い丸皿。
そこには問題のホットサンドが、いくつかの黒い焦げで飾られていた。
横には、コーヒーカップが1つ。
ニコニコとした泊が席に着く。
昼ご飯としては、物寂しい風景にも見える。
しかし、それが泊にとってキャンプっぽさを盛りあげた。
――とまり@心はキャンプ:ジャガイモをマッシュポテトにして、胡椒と粗く砕いたポテチを混ぜました!
――AKIRA@自宅:ってことは そのジャガイモは血の味か……
――とまり@心はキャンプ:なんでだよ!
――AKIRA@自宅:とまりんはジャガイモと一緒に自分の手の皮も剥いているだろう?
――とまり@心はキャンプ:おひ。料理を痛そうなスプラッターにするの、やめろ。
――とまり@心はキャンプ:このわたしが、そんな失敗をすると思っているのかね?
――AKIRA@自宅:んじゃぁ マッシュポテト、1人で作れたのか?
――とまり@心はキャンプ:そこは母親にお願いしたわい。
――AKIRA@自宅:安心した
――ハルハル@芙蓉不朽:それで味はどうなの?
――とまり@心はキャンプ:ほむ。
とまりはそのままがぶりとかぶりつく。
そして無言のまま、モグモグと口を動かす。
口の中を全て咀嚼し終えてから、コクリとうなずく。
――とまり@心はキャンプ:ほむ。まあ、なんだ。
――とまり@心はキャンプ:一言で言うと、イモだな。
――AKIRA@自宅:うん わかってた
――ハルハル@芙蓉不朽:ですよねー。
――とまり@心はキャンプ:まあ、マッシュポテトにポテチの塩味が効いて、食感も変わっておいしい。
――とまり@心はキャンプ:あえて言うなら、なんていうか、普通にアタリでネタにならず、笑いがとれなくてつまらない。
――AKIRA@自宅:芸人根性か!
△▲▽▼△▲▽▼△▲▽▼
――AKIRA@自宅:次はオレだな
――AKIRA@自宅:オレは キムチと梅 だけど これにチーズと豚バラ それからほうれん草 韓国のりを足した!
――ハルハル@芙蓉不朽:さすが、晶ねー。その組み合わせで調理ということは……
――AKIRA@自宅:そう! 豚バラキムチの梅肉和え!
――とまり@心はキャンプ:ほむっ!? なにそれ、ハズレなさそうな!
――AKIRA@自宅:パンの上にチーズ、そしてほうれん草を敷く。
――AKIRA@自宅:その上に食べやすくするために細かく切った豚バラキムチの梅肉和えを載せる。
――AKIRA@自宅:そこに韓国キムチを敷いて、さらにほうれん草を敷いてサンドしました!
机の上に、ぽんと置かれた大きな白い皿。
その上にはホットサンド、横にはポテトサラダまで添えてある。
さすがに見た目まで凝っている。
――とまり@心はキャンプ:ほみゅっ! それうまそうじゃありませんか、晶先生!
――AKIRA@自宅:ああ、うまいぜ!
――AKIRA@自宅:実はこれ 3作目
――AKIRA@自宅:最初作ったら キムチとウメは独立すると酸味が強すぎたんだよな
――AKIRA@自宅:だから 豚バラキムチにしてサッパリさせるために梅肉にした
――AKIRA@自宅:でもさ これだけでも酸味が強いんだ
――AKIRA@自宅:だから とろけるチーズをいれてみたらバランスがとれた
――AKIRA@自宅:野菜も欲しいのでほうれん草をいれた
――AKIRA@自宅:本当はサンチェをいれたいところだけど 家になかったしな。
――ハルハル@芙蓉不朽:確かにおいしそうねー
――とまり@心はキャンプ:ほむ。さすが晶。我が弟子よ。
――AKIRA@自宅:誰がおまえの弟子だよ!
――AKIRA@自宅:それにな これには続きがあるんだぜ!
そう言うと、カメラの中の晶は、横に手を伸ばしもう一枚の皿を運んできた。
載っていたのは、一見するとホットサンド。
だが、形がチョット違う。
――とまり@心はキャンプ:ほむ……まさか、それは……。
――AKIRA@自宅:そう これはライスバーガーだ!
――とまり@心はキャンプ:なっ、な、なんだとー!!!
――ハルハル@芙蓉不朽:あらー。それは思いきったわねー
――とまり@心はキャンプ:ま、待て、晶。それはレギュレーション違反ではないか?
――AKIRA@自宅:ふっ バンズに米を使ってはいけないというルールはなかったはずだぜ?
――とまり@心はキャンプ:くっ……。
――ハルハル@芙蓉不朽:確かにそうねー。ていうかー、もうまずい要素ゼロよねー
――AKIRA@自宅:米に片栗粉を混ぜてそれで固めた
――AKIRA@自宅:チーズは抜いて 韓国のりは多め
――AKIRA@自宅:普通にめっちゃうまい
――とまり@心はキャンプ:ほむ。いや、ちょっと待て。
――とまり@心はキャンプ:やはりまだレギュレーション違反の疑いがある。
――とまり@心はキャンプ:そのライスバーガーを没収する。直ちに我が家まで持ってきたまえ!
――AKIRA@自宅:残念ながらそれはできねーぜ
――とまり@心はキャンプ:なにぃっ!?
――AKIRA@自宅:必殺、ソーシャルディスタンス!!
――とまり@心はキャンプ:そ、そんな技が!?
――ハルハル@芙蓉不朽:二人ともノリノリねー。
――ハルハル@芙蓉不朽:でも、ソーシャルディスタンスで「必殺」はダメじゃないかしらねー
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――ハルハル@芙蓉不朽:次はわたくしねー
――ハルハル@芙蓉不朽:シェフー、持ってきてくださる?
映像の向こうで、「かしこまりました」という男性の声だけが響く。
それから数秒後、遙の目の前のテーブルにホットサンドが置かれる。
――とまり@心はキャンプ:ほむ。ハルハルにしては普通……というか。
――AKIRA@自宅:飾りもないじゃないか
――ハルハル@芙蓉不朽:本当は専属パティシエに頼もうとしたけど、コロナウィルス対策で休ませているのよね。
――ハルハル@芙蓉不朽:じゃあ、お願いするわねー
――AKIRA@自宅:え? まさかここから?
すると遙の画面の中に、全身真っ白なシェフらしき初老の男が現れる。
そしておもむろにホットサンドを三角形に切り分けた。
切った三角形を二つ重ねると、間には緑のメロンが覗いている。
その上に、半球状のバニラアイスが添えられる。
さらに冷凍の葡萄らしき粒が添えられて、その上からハチミツできれいな模様が描かれる。
最後に緑のミントの葉。
そしてシェフから告げられた料理の名は、「生ハムと冷凍メロンのホットサンド、アイスクリーム添え」だった。
――ハルハル@芙蓉不朽:あらー。スイーツ風にしたのねー
――とまり@心はキャンプ:はるはる、ずるい! プロの力使うとか!
――ハルハル@芙蓉不朽:あらー。これもわたくしの力の一環ですのよー
――ハルハル@芙蓉不朽:では、いただいてみましょうかしらー
遙はナイフとフォークで、ホットサンドを切り分けた。
一口大になったホットサンドへ器用にアイスクリームを載せて、それを小さなピンクの唇に運んでいく。
――ハルハル@芙蓉不朽:あらー。本当にスイーツね。普通の生ハムメロンと違い、オリーブオイルと胡椒は使わず、わずかなレモンの酸味。生ハムの量を減らして、塩気を抑えているのねー
――ハルハル@芙蓉不朽:メロンを冷凍にしたのは水分を抑えるためねー
――ハルハル@芙蓉不朽:アイスとハチミツがマッチするわー
――AKIRA@自宅:塩気に、メロンとバニラアイス、そしてハチミツの三つの甘味でバランスをとっているのか
――とまり@心はキャンプ:ほむほむ。メロン、アイス、ハチミツ……三つ……
――とまり@心はキャンプ:これが「三密」か!
――AKIRA@自宅:ちげーよ!
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※参考資料:実際にいろいろ作ってみています!!!!!!!
https://blog.guym.jp/2020/05/sdc-005-0182.html
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